友達探し３７日目 ページ41
『あっ、皆さん！その、この度は……皆さんに凄く迷惑をかけてしまって、誠に申し訳……』
あわあわとしながら頭を下げようとする新美。
──それよりも先に、乱歩は彼女の顔を確認するなり、無言でしがみついてきた。
面食らう新美の肩口に顔を押し付けて「ぶじでよかった」と絞り出すような声で呟き、其の儘押し殺した声で泣き始めた。
新美は驚いて乱歩を見る。しがみついた体は小刻みに震えていた。
『……乱歩さん、心配かけちゃってごめんなさい。……それと……助けてくれて、ありがとう』
_________________________
目の前には、つい最近ウイルスにその小さな体を侵されかけた女の子がいる。
幼い子供のようにびーびー泣いて、顔が涙でぐしゃぐしゃになっている僕の頭を優しく撫でてくれていた。少し情けないと思うが、この感情には勝てない。
本当に、社長が……この子が死ななくて善かった。
…………今となっては、二人共欠かせない大事な人だから。
『もー。名探偵さんってば、こんなに泣いちゃって。先刻まではなんともなかったのに』
「煩いな！悪い！？」
『いいえ』
えへへー、と笑う彼女は、この騒動の前とさして変わっていなくて、心底僕はほっとした。
ほっとしたと同時に……この子に、云わなくちゃいけないことがあるのを思い出す。
「……新美ちゃん。一寸善い？」
『……？……はい、大丈夫です』
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「……君と出会ってから、色々あったね」
社員寮で正座して待っているこの子を見たときは、いきなりすぎて吃驚した。
それでその日の夜は、寝ないで二人でミルクパズルをやったり、知恵の輪を解いたりしたんだっけ。Aちゃんの頭の良さには驚かされっぱなしで。……オオカミ男殺人事件の真相もすぐ見抜いちゃって。
そして共喰い抗争では、ウイルス異能者のウイルスを受けても尚、皆を守ろうと奮闘していた。探偵社員じゃないのに、探偵社員がその命を散らさない為に、だ。
彼女は誰よりも優しくて、誰よりも努力できる人だ。
そう、
「君は……優しい子だ。でも不器用で要領が悪いから、今まで沢山『しなくてもいい苦労』をしてきたんだろう。僕は、そんな君に、僕の隣にいてほしい」
そう云うと、Aちゃんはぽかんと口を開け、頬を紅潮させて僕の目を見た。
続く
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みず(プロフ) - 即直してきました。完璧です(ドヤ顔) (2018年9月22日 22時) (
レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - ゆあさん» ふひゃああああああぁああああ！！！！やっちまったぜスライディング土下座ーーーー！！！！(ズザアアアアアアアアアア) (2018年9月22日 22時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - いやみずちゃーん！かなり前にも言ったが“弁別”よ！！不覚にも吹いたその二よ！！！← (2018年9月22日 22時) (レス) id: be7752c821 (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - ゆあさん» 与謝野先生の解体ショー(?)、新美ちゃんは未だ受けてないらしいです。 (2018年8月29日 15時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 大丈夫だ桜庭ちゃん。皆、これを経験して大人になるんだよ(`・ω・)ｂｸﾞｯ! (2018年8月29日 13時) (レス) id: 2d3bbb4ab3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みず | 作者ホームページ：http://twpf.jp/uranai_mizu
作成日時：2018年4月3日 19時
