或る妖狐の物語【たくっち】第五章

１４１話 秒で終わった ページ26

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「こ……降参ですぅ…………」

「この勝負っ！Aの勝ちぃ〜〜っ！！！」

『やったぜ』


思わずガッツポーズをする。わりいな早苗。

開幕から隙だらけだったのでとりあえず足払いをかけた後、痕にならない程度に腹を蹴り吹っ飛ばし、その後を追い早苗に跨り木刀を振り上げたところで試合終了。あまりにも早すぎる勝利だったぜ……自分が恐ろしい……。


特殊ルールとは言え勝てたことに浮かれながら、みぃちゃんたちのところに戻る。どうやら勝てたのはユートくんだけらしいが、敗者復活戦なるものもあるそうだ。じゃあ色んな子にチャンスがあるね。

……そしてその後、マジ天使フランちゃんによるアナウンスが入った。



【もしもーしっ！A？聞こえてる？】

『名指しアナウンスマ？』

「流石だな。また何かやらかしたのか」

『濡れ衣ですやみちゃん！！！』

【さっきの試合が予想以上に圧倒的な差すぎたので特殊ルール導入は今後ナシでいくことになったから、よろしくねっ！！！】

『えマジ……？？？クッソわたしが強すぎたばかりに……』


思わず頭を抱えた。つまり、スペルカードの美しさで勝たなきゃいけないってこと……？？私スペルカード知らないんだけどな、まいったぜ……。


【スペルカードは使わなくても使ってもオッケー！技の美しさを競う戦いになるね！】

『なるほど』


まるでこちらの心の中を読んだかのようなアナウンスにどきりと胸が高鳴る(多分恋)が、なるほどそういうことになるのか。まあ、どのみち簡単に勝てるとは思わない方がいいだろう。

ふと試合場の方に目を向ける。ええと、この対決は……。


『……あぃちゃんと魔理沙かあ』

「ああ、普通の戦いなら魔理沙が圧倒するだろうが……」

「スペルの美しさならあぃだって負けてないよーっ！」

『いいね、目の保養』


可愛子ちゃんたちの戦いはあまりにも癒しすぎる。ここで休憩しておくことにしようかな。
……あっあぃちゃんがコケた。かわいいね。

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