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135話 スペルカードルール ページ20



いい答えを返せる気がしなくて、思わず唸ってしまう。ユートくんは少し困ったように笑った。あ、かわいい。


「猫又さんはさ、戦うのが嫌いなの?」

『いや、なんつーかそうじゃなくて……』


ぼりぼりと頭を掻き、「また過去の話になっちゃうんだけどね」と前置きして続ける。……ユートくんは聞き上手だからか、この子の前でだと色々沢山話せる。

でも、だから不安になる。喋りすぎちゃわないかって。


『幻想郷最強決定戦、なんて平和なものが開催されること、昔の私だったら絶対ないと思ってたんだよね。未来永劫』

「……昔、この辺りで大戦争が起こったから?」

『うん。昔は最強を決める方法なんていったらそれこそ殺し合いとかだし、大規模になると戦争なの。妖怪大戦争だってそうだった』



……その戦争に参加した私は、「スペルカードルール」なんて使わず、遅い来る妖怪を傷つけて、傷つけて、殺してた。力を誇張するためじゃなくて、人を守るために。


それでもやっぱり……守った人からは、怯えた目で見られるのが必然的だった。

血塗れのまま「大丈夫ですか」と彼らの方を振り返り言っても、彼らはただ瞳を震わせているだけで、返事なんてなくて。

子供のいる人間は、怖がる子供を更にぎゅっと力を込めて抱いていた。



『……そんな血にまみれた「最強決定戦」に参加した私が、今更そんな……そんな大会に、軽い気持ちで参加するわけにはいかないと思ったの……』

「……猫又さん……」


『でもだめだなあ。参加することになっちゃった』


視線を下に落とし俯く。両手を広げた。

……やっぱりどうやっても、血まみれの手しか私には見えない。
私はあの子達と、楽しく、わいわい大会になんて参加出来ないよ……。



「Aさん」

『えっ?あっはい、Aさんで〜す?』


名前を呼ばれて条件反射で返事をしてしまう。な、なんだろ。怒られる……?

そう身構えていると、ユートくんの片手が、私の片手にそっと触れる。そのままするりと自然な流れで手をぎゅっと握られた。ちょちょちょ!?!?な、なにいきなり!?


「Aさんはいつだって、俺たちを避けるよね。すぐに俺たちに、背中を向けて走って逃げて、俺たちを置いてく。それが俺たちのためだって信じてるから」

『……それは』


……だって、難しいよ。今まで長い間ひとりで生きてきたのに、いきなり甘えてほしいっていうのは……。

136話 大会当日→←134話 決着と彼女の胸の内



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リア - はじめまして。更新復活して嬉しいです! (2021年3月31日 22時) (レス) id: 5b8d6aacc8 (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - 猫丸。さん» 果たして勝つのはどっちだ!?次回、猫又ちゃん死す!デュエルスタンバイ! (2020年3月25日 15時) (レス) id: 0b6159a6d2 (このIDを非表示/違反報告)
猫丸。 - あっ、おいなり三兄妹が!!!!戻ってこーい!!!(無理です)叩いて被ってじゃんけんポン、私は物凄く弱いんだぜ、舐めるなよ(某タンポポ) (2020年3月25日 8時) (レス) id: 144e3b7d1c (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - 猫丸。さん» 仙狸くんはめちゃくちゃシスコンです!!!!!! (2020年3月22日 15時) (レス) id: 0b6159a6d2 (このIDを非表示/違反報告)
猫丸。 - えっ、まさかのシスコン?シスコンですか??私そういうの大好きなんだよね、だいすき(?)実際猫又ちゃんもブラコンだったり………… (2020年3月22日 14時) (レス) id: 144e3b7d1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みず | 作成日時:2020年3月13日 18時

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