１２７話 諸々の真相という名の後付け説明 ページ12
・
「なんだ今度は謝りだして……おい伏見、稲荷、伊奈莉。お前ら何かあったのか？」
「あ、そ、そうなの！！実はかくかくしかじかあって……」
「……へえ、おれがいなくなった途端九尾は暴走して、使用人は伊奈莉を追い出した、って？」
「そうだよ。だからてっきり私たちは、稲荷神さんがいなくなったことで守ってくれる人もいなくなって、使用人は伊奈莉ちゃんを……って思ってたんだけど……」
みぃちゃんがそう言った。実を言うと私もそう思ってた。
……でも、冷静に考えたら……。
「なわけねーだろ。おれの使用人は全員おれが信頼してる奴なんだよ。だからきっとーー結界が弱まってたのが原因なんだろうなあ」
「結界……？」
「そ。感情操作したりするわるーい奴らから使用人全員を守る……というかそーゆー術を妨害する結界を、ギッチギチにおれが張ってたんだよ。
んでもってー……おれが封印されることによってそれが緩んだんかな……？」
……そう。あの偉大なる稲荷神が、悪い奴を使用人にするはずがなかったんだ。それくらいの審美眼はあるはずだから。
九尾も冷静でいられなかったってんなら、きっとその結界が緩んでから誰かに感情やらを操られて、使用人のひとたちは伊奈莉を……。
「は、はい……ですが一人、感情操作されなかった者もおりました」
「彼女は心が強かったのです。ですからきっと私達も……感情を操作されるのを拒むことはできたかもしれなくて……」
……それが例の、牢屋にいる子か。なるほどな。本来は皆そんな感じだったはずなんだ。
「まあまあ落ち着けー。大丈夫だ、なんとかなったんだから。……ああお前たち、感謝するぞ。お前たちのおかげで、誰一人犠牲は出なかった。お前らがいなければ、きっと……おれたちは駄目になってた気がするんだ」
「そ、そんな！」
「私たちは礼言われるほどのことなんて……」
「いや。礼を言わせてくれ」
ありがとよ、と稲荷神は笑った。それと同時に、使用人の人達も「ありがとうございました」と丁寧に礼をしてくれる。
……とにかく、これでこの兄妹ちゃんたちのごたごたは解決した感じでいいんかな。割と……兄貴のおかげみたいなとこ、あるけどさ……。
「……じゃあ伊奈莉たちは、実家で暮らしても大丈夫ってことね？」
「え……？」
『おっと、そうだったね。実家のごたごたが解決したんなら、ここにいる意味ないもんな』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リア - はじめまして。更新復活して嬉しいです！ (2021年3月31日 22時) (
レス) id: 5b8d6aacc8 (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - 猫丸。さん» 果たして勝つのはどっちだ！？次回、猫又ちゃん死す！デュエルスタンバイ！ (2020年3月25日 15時) (レス) id: 0b6159a6d2 (このIDを非表示/違反報告)
猫丸。 - あっ、おいなり三兄妹が！！！！戻ってこーい！！！(無理です)叩いて被ってじゃんけんポン、私は物凄く弱いんだぜ、舐めるなよ(某タンポポ) (2020年3月25日 8時) (レス) id: 144e3b7d1c (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - 猫丸。さん» 仙狸くんはめちゃくちゃシスコンです！！！！！！ (2020年3月22日 15時) (レス) id: 0b6159a6d2 (このIDを非表示/違反報告)
猫丸。 - えっ、まさかのシスコン？シスコンですか？？私そういうの大好きなんだよね、だいすき(？)実際猫又ちゃんもブラコンだったり………… (2020年3月22日 14時) (レス) id: 144e3b7d1c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みず | 作成日時：2020年3月13日 18時
