約束、覚えてますか２《Kosei》 (ページ10)

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湧さんの言葉に頷けば、ふわりと笑った

そのまま真っ直ぐに私を見つめるから何かあるんじゃないかと変に身構えてしまう

それに気付いたのか、ふっと息を吐いて優しく笑った

元木「…ありがとね、」

「え？」

元木「Aちゃんの存在がなかったら、檜山…普通の人生送れなかった。誰かと笑い合うことも、普通に恋人作ることも…なかったと思う。だから、希望になってくれてありがとう」

「…私はしたいことしてるだけですよ、光成を信じたのも、私が信じたいと思ったから」

元木「それに、俺も助けてもらっちゃったから」

「私、湧さんのこと助けたりしましたっけ？」

心当たりがひとつもない、何かしたっけ？

脳内にある引き出しを開けてみても、それっぽい記憶は出てこない

何も言わないでいれば、湧さんの方から口を開いた

元木「Aちゃんに言われてやめたんだよね、自分のこと売るの」

「あっ…！そうなんですか、なるほど…」

元木「もっと自分のこと大事にしようと思ってさ。大事な仲間がいるしね」

それだけ言いたかった。と呟いた湧さんは、隣から立ち上がると俺も混ぜろー！と深田の元に飛んでいってしまった。

深田の声がより一層うるさくなるのを笑いながら見て、ほっこりした気持ちになる

私の言葉が、誰かの心に響いている。その事実に心が温かくなった。