約束、覚えてますか《Kosei》 (ページ44)

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私の知らなかった真実に驚愕する。

あの時、怪しい人がいるなんて気付きもしなかった。

それに気付いた光成は、何も気づかない私を守ろうと必死に考えてくれたんだ…

「その、犯人は捕まったんだよね？」

『うん。湧が警察に情報売ったのもあるけど、他にも仲間に裏切ったやつがいたみたいで…逃げられなくなって逮捕。』

「だから光成は帰ってこれたってこと？」

『うん、俺達がいた場所に警察が来てさ…そいつは証拠を突き出されて、俺達は保護された』

「光成の他にも人がいたってこと…」

『まあ、多くはないけど。青木とか陸人が逃げたときに半分ぐらいは一緒に逃げたはず』

光成は一体、どんな気持ちで仲間を逃がしたんだろう。

自分が犠牲になることで、仲間を逃がすなんて…その人達にとっても、光成はヒーローだったに違いない。

こういうところを好きになったんだけど、もう少し…自分を守る判断をしてくれても良いのに…なんてわがままを思っちゃって。

「湧さんが、背中に傷が残ってるって…」

『あー…湧、そんなことまで教えたの？口止めしとけば良かった』

「つらかったよね、見つけられなくてごめんね…よく、頑張ったね。生きててくれて…ありがとう」

ありきたりな言葉しか見つからないけど、自分が今伝えたい想いはこんな安っぽい言葉にしかならなかった

だけど、どの言葉にも嘘はなくて…どれも私の本音だ。

その言葉を向けながら彼の頭を撫でれば、泣きそうな顔で私に抱きついてきた