約束、覚えてますか《Kosei》 (ページ5)

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足が速い深田に手を引っ張られながら走る。

運動部だから体力ある彼は、遠慮なく走るから結構キツイ

体力のなさを痛感しながらなんとか彼についていくと、私の家の前で止まる。

そして、切れる息を整えながら顔を上げればそこには…

「こ、せ…」

そこには、あの頃とは見違えるほど成長した光成がいた。

最後に見たときとは身長も顔立ちも雰囲気も、何もかもが違う…けど、それはやっぱり光成で。

絶対また会えると信じていたけど、諦めかけていたことが現実になって…零れそうになる涙。

私の絞り出すような声に振り向いた光成と光成ママ。私を見るなり、先に中に入っとくね。と光成ママは先に部屋に入っていった

「光成、本物の光成だ…あのね、覚えてる？昔ずっと一緒に、」

『…あんた誰』

彼に近付いて声をかければ、嬉しさのあまり早口になる

そんな私を止めたのは…会うのを待ち望んでいた、彼からの冷たい言葉だった。

睨み付けるような鋭い眼差し、凍りそうなほど冷たい声、あの頃とは何もかも違っていた

「覚えて、ないの？Aだよ、昔一緒に遊んでたじゃん…」

『…あぁ、そんなやつもいたっけ。あの鬱陶しいやつ』

「どう、して…」

優しさなんてない目の前の彼に、光成だと信じたくなかった。

光成から向けられる…突き刺さるような視線が、私の体を震わせる

やっと会えたという幸福は、一瞬で消え去っていった