約束、覚えてますか《Kosei》 (ページ40)

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元木「…まあ、そんな感じかな、」

「酷い…」

元木「まあ、そうだろうな。普通じゃないし」

「…でも、ありがとうございます」

元木「はっ、なんで…」

「湧さんがいたから、光成はきっと…つらくても耐えられたんだと思います」

だから、光成のそばにいてくれてありがとうございます。と頭を下げる目の前の女の子。

予想外の反応に、俺はどうすれば良いのかわからなくなった。

檜山の幼馴染みだと聞いて、ただ単純に…本当に檜山のことを受け止められるのか試したかった。

この話を聞いて、檜山に幻滅するだろうと思っていたのに…そんなものは俺の余計な心配だったみたい。

元木「お礼言うとか頭おかしいんじゃね？」

「だって、悩んでたのは湧さんも同じだし、光成のこと助けてくれたから。だからありがとうです」

元木「…バカじゃん」

「よく言われます(笑)」

元木「汚いって、思ったりしないの？」

散々浴びせられてきた、“汚い”という言葉。

そりゃそうだ。好きでもない人を抱き、それで報酬を貰うなんて…世の中で見たら汚いと言われても仕方ない

それなのに、彼女は…けろっとした顔で笑った

「思いませんよ、女性をもてあそんでたなら軽蔑はしますけど…湧さんも光成もそうじゃないってわかってますから」

元木「…Aちゃんってほんと、とことん頭おかしいな(笑)」

「酷いって言ったのも、嫌がる光成を無理矢理させてるからで…光成を汚いなんて思いません。湧さんもやめるべき…なんて言ったけど、それは汚いって思ったからじゃなくて、自分を安売りするのはもったいないって意味です」

ああ、こんなに想ってくれる相手がいる檜山が羨ましいな。