約束、覚えてますか《Kosei》 (ページ11)

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私はそれから、深田と別れ、光成ママに電話をかけた

規則的な機械音が鳴り響いて数秒後、はい。という優しい声。

光成があんな態度してたから…出てくれないと思ってたけど、そうじゃないみたいでホッと安心した。

「もしもし、光成ママ？」

《どうしたの？電話してくるなんて珍しいね》

「あ、の…光成のことで聞きたいなって思ってることがあって…」

私の言葉に、一気に静かになる光成ママ。

やっぱり何か知ってる？あそこまで変わってしまった光成に、心当たりがある？

断られてもなんとか粘って教えてもらおう、なんてひそかに思っていると…電話越しに聞こえてくる優しい声。

《…今日、うちにおいで》

「え？でも、光成が嫌がるんじゃ…」

《久しぶりにお父さんとドライブに行くみたいだから、その間に来て？おばさん待ってるから》

「わかりました…」

光成ママと通話を終わらせて家に帰る。

自分の部屋に入るなり、カーテンを開けて光成の家に目を向ける。

暫く見つめているとガチャリとドアが開き、光成パパに続いて出てきた光成は再会したあの時とは違い…笑顔を浮かべていた

昔を思い出すその笑顔に嘘なんて見えなくて、あの頃から何も変わっていない。

光成の笑顔を見て、何故だか頬を伝っていく涙が止まらなかった

すると不意に、彼が視線をこちらに向けそうになって慌ててカーテンを閉めた

「なんだ、笑えてるじゃん…」

この涙の理由はわからない

彼の笑顔が見れた嬉しさ？自分に向けてくれない寂しさ？

…それとも、光成が変わってないという安心感？