約束、覚えてますか《Kosei》 (ページ1)

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公園を駆け回る、おっちょこちょいな女の子と、しっかり者の男の子。

小学校の授業が終われば、家に荷物を置いてすぐに飛び出す。

この日もそんな…ありふれた日々のワンシーンだったんだ

「光成、足…はやいよっ、！」

『Aが鬼ごっこやるっていったんじゃん！』

「他のあそび…しよう？」

『もう、しょーがないなぁ。何が良い？』

「えへへ、ありがとう！」

男の子はいつも、女の子に付き合ってあげた。

小さい頃からの付き合いで、男の子の口癖は“Aを守るのは俺だもん！だから離れんなよ！約束！”

その言葉が、まるでヒーローのように思えたあの頃。

そんな言葉を信じきって…甘えていた私。

『A、そろそろ帰らないと…』

「うんっ！帰ろ！」

『っ、A！家まで競争しよう？』

「競争？」

『早く家に着いた方が勝ちね！…よーい、ドンッ！』

男の子の言葉を合図に、負けないように小さな手足を一生懸命動かして走った。

暫く走って、家はもう目の前。私の勝ち！と自慢しようと振り返った時…彼の姿は見えなかった

「こう、せい…？」

姿の見えない彼を、キョロキョロと探してみたけど追いかけてくる様子はない。

ビックリするぐらい足音も聞こえない静かな空間に、幼かった私は泣き叫んだ。

家から慌てて飛び出てきた母親は、私が泣いているのに気がつくなり私をぎゅうっと力強く抱きしめる。

家が隣同士だった男の子の家から出てきた女の人は、何がなんだかわかっていなかった

「光成がっ、光成がいなくなっちゃった…、！」