【スプラトゥーン】僕らは"ソレ"を望まない (ページ3)

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×. 龍の爪 .× ページ3

＿＿翼が無ければ良かったのに。

×+×+×+×+×+×+×+×+×+×

今日も、水の音が響いている。
…まただ。また彼奴ら(研究員)が、イカを自分達の勝手に変えていく。

喚き声、泣き声、声に成らない声。
僕は、とても聞きたくは無いし、勿論改造もされたくは無かった。

兄は、実験で死亡してしまった。
何もかもが終わった様な気分で今日も進んでいく。
……能力を植え付けられて…。
自分が望まない物を、上手く使えるまでこの研究所からは出られない。
正直に言うと僕には、残酷に思えた。

……もうすぐ、だ。
こうなるのも時間の問題で、もうすぐ僕も改造されるのが分かりきっていた。

『それまでの時間、自分自身がしたいことを沢山やれば良いさ』

それは、僕に当てられた言葉であり、今は居ない兄の言葉である。
僕は、＜その日＞まで沢山のやりたいことをやり遂げた
もう、やることはないし悔いもない。
…けれど、僕は＿＿。

病室で目が覚めた。
仰向けに倒され、動けないように固定されて居たらしいが
僕の目が覚めると固定が外れた。

ふと、異変に気付く

背中に違和感を感じる。

「なんだよ…これ」
鏡に映る自分の姿は、"一匹の龍"の様な翼が生え、頬には鱗が見える。
…気絶するかと思った。

それ以来僕は、"僕"じゃ無くなっていった。

薬を飲んでは、倒れ、苦しみ、そして苦しみに足掻いて。

自分が自分じゃ無くなるのを体感した。

……何ヵ月も薬に依存した。
しかしある日以来、記憶も依存も、
全て消え去ってしまった。

その日以来、いつ研究所から逃げ出そうかと××××と色々話をしていた。
そして、実行した日、××××と研究所から逃げ出し、そのあとも戻る事は無かった。