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『…匿名を希望します』 ページ1

__僕に、名前なんて物は必要ない。



×+×+×+×+×+×+×+×+×+×

『…先生、此処は_。』
いつも通りの夏。
蝉の合唱祭の声が、僕らが居る学校に響き渡る様だ。

実は、僕には変わったことが有る。
『…授業が終わってほしくない』
そう思っていたのだ。
理由は至って単純だ。
授業が終われば、皆が僕を嘲笑う様にして暴力、暴言
容赦何て物は無かった。


『…ただいま』
学校が終わって、家に帰ると小さく僕の声が響く。
「お帰り、今日もお疲れ様、×× 。」
「宿題は早めに終わらせるんだぞ。」

そんなの分かっている、分かりきっている。
何を言おうと、何処にも"愛"の一文字すら無かった。それだけだ


…ある日の事。
家出した、それは夜の事件の話。

霧が掛かっている上に夜と言う悪状況で、何も見えない。
『……ヤバい、何も見えない…』
ソレは唐突に起きた。予想しなかった事だ。
「…ツキ、お前何してんの?」その言葉に背筋が凍り付く。
そして、ホラー映画でも見たかの様な反応でしどろもどろと言葉にとは思えないような言葉を口にした。
…目に映った姿で僕は、察する事が出来た。
「サ…ン?」
怯えるのも無理が無い、そりゃ自分を苛める集団の"リーダー"が目の前に居るんだから。

散々、僕は名前を汚された。
挙げ句僕を汚した。
だから僕は、自分の名前がとても嫌いで仕方がない。
この名前は切り捨ててしまいたいと思っていた。
「…まぁ、今回は***の命令だからな。…許せ」

そう言われたかと思うと、
途端に僕の意識は其処で途切れた。

『…匿名を希望します』 2→



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作者名:カフェラテ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2017年8月20日 0時

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