デンジ君に借りられる【チェンソーマン】 (ページ3)

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「じゃあよォ〜オレがAを借りてやるぜ！」

『借りる？』
「１時間10円で！そしたらAはオレから金もらえて、オレんこと好きになって…うぃんうぃん…だな！」
そう言ってキラキラと目を輝かせる。確かに悪い条件ではなかった。デンジ君のことは嫌いではないし、自分の気持ちもわかるかもしれない。それに10日続ければ100円。楽な商売だ。
『私を貸し出すってことかぁ』
「おう」
『別に、良いよ』
「やったー！！」
『何かして欲しいこととかあるの？』
「……これ、10円な」
『あ、うん』
これ、と渡された10円をうっかりいつも通り受け取ってしまった。
「じゃあよォ」
『はい』
無性に緊張して敬語になる。
「ひざまくらして」
『え』
いきなりの注文にどぎまぎする。ひざまくらってことは膝の上に男の子の頭がくるわけで…。
「A〜俺ァ10円払ったからなァ〜？」
形勢逆転とはこのことだ。デンジ君はニヤニヤと楽しそうにしている。
『なんでもするとは言ってないし…ッ！』
「ふーん。ならよォ、頭撫でてくれ」
『それくらいなら…』
腕を動かしデンジ君の頭の上に乗せてゆっくりと髪を撫ぜる。少しパサついているが思ったよりサラサラしていた。
デンジ君は気持ちよさそうに目を細める。
時間がゆっくりと流れ、こんな時間がずっと続けばいいのにな、と心の奥底で思っていた。