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借りられる1 ページ1
「なぁって」
朝の授業中、小声で声をかけてくる隣の席の人…もとい早川デンジに気がついた。気がつかなかったのも無理はない。私は寝ていたのだ。
『なに〜？』
私も小声で返事する
そもそも私はこの時間毎回寝てるっていうのにどうして声をかけてくるのか。
「消しゴム貸して」
両手を合わせたジェスチャーと共にお願いしてくるデンジ君。
消しゴム貸すって今日日聞かないな。とぼんやり思った。
『貸してもいいけど、10円ね。』
そういう私は意地悪女に見えるだろうか。
「えっ…えぇ〜…」
嫌そうに声を漏らしたデンジ君。申し訳ないけどここは引き下がれない。私の家は貧乏で、この消しゴムも少ないお小遣いから買ったものだ。むしろ破格で貸してあげるのだから、感謝すらされていい。
『必要ないなら…』
「いや、いる！貸してください！」
そういうわけで、消しゴムを貸すことになった。
というか、色々なものを貸す羽目になった。
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作者名：しろ | 作成日時：2024年3月22日 3時
