3.偶然の再会 ページ4
ホストに通い始めて2ヶ月ぐらいが経った。
私は足蹴もなくお店に通うようになり、ついにホス狂いの仲間入りを果たした。
いや、ホス狂いは言い過ぎた。細客だしむしろホス狂いに失礼だ。ただのハマってる奴ということにしよう。自分で自分に突っ込む。
それにしてもお金がない。大金があればリリーくんに喜んでもらえるのに。
リリーくんは今日も来てくれてありがとうとか言ってくれるけど、当たり障りのない言葉で正直物足りなく感じる。
やっぱ周りの人たちみたいに高いお酒頼んでリリーくんに気に入られたい。気づいたら私は独占欲が出ていた。
お金どうしようかなあと悩みながら繁華街を歩いていると、男の人4人ぐらいのグループとすれ違った。すれ違った瞬間、その内の1人に名前を呼ばれた。
「A？」
呼ばれた方を見ると見知った顔と目が合った。
「…屋敷くん？」
「…やっぱりAや！」
そこに立っていた人は学生時代の友達の屋敷くんだった。
屋敷くんは、友達に先に行ってて！と声をかけた後私の方に近づいてきた。
「めっちゃ久しぶりやん！」
「ねー！こんなとこで会うなんてびっくり！」
「今1人？何してんの？」
「えっとねー、今から友達と居酒屋で合流するんだ」
今からホストクラブに行きます！なんて言えるわけもないのでそれっぽいことを答える。
「へー。そうなんや」
屋敷くんは疑うことなく相槌を打ってくれた。
「俺も今友達と飲んでて今から2軒目行くとこ」
「いいじゃん。どこの居酒屋？」
久しぶりに会った屋敷くんは変わってなかった。
私に会ったことを本当に嬉しそうに話してくれる屋敷くんを見てなんだか癒された。
そういえば昔からこんな感じでよく笑う人だった。面白くて毒舌なとことか好きだったな。思わず学生時代のことを思い出す。
「じゃあ俺行くわ」
「うん。ばいばい」
軽く話した後、屋敷くんは駅方面に向かっていった。私は私で店に向かう。
屈託のない笑顔の同級生に会うと心にくる。
これからリリーくんに会うというのに何故か心にもやがかかったような気分だった。
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あんこ(プロフ) - のよさん» 感想ありがとうございます！！書くの頑張ります！✨ (1月8日 16時) (
レス) id: 0a051c8dbb (このIDを非表示/違反報告)
のよ - まじでまじで面白いです！！続き楽しみにしてます、！ (1月8日 3時) (レス) @page26 id: 795fd37f5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこ | 作成日時：2023年11月4日 14時
