16.真実の ページ26
眼を覚ますと部屋には屋敷くんがいた。
「あれ、なんで屋敷くんがいるの？」
「何ででしょう」
昨日は嶋佐くんと帰ったはず。その嶋佐くんが家にはいない。
「嶋佐くんといたのに…」
「金髪の奴？」
「あ、そう！」
「俺昨日Aに電話したらそいつが出たんだよ」
屋敷くんは昨日のことを簡単に説明してくれた。
「そうだったんだ…迷惑かけてごめんね」
「いや別にええよ。てか体調平気なん？」
「うん」
屋敷くんはそうかと呟いた後、私の顔をじっと見た。
「A、ホストも風俗もやめて俺と一緒にいろ」
「え」
突然の発言にびっくりして変な声が出た。
「お前このままやと死ぬぞ」
屋敷くんは私の目をまっすぐ見ている。その目は真剣そのもの。
「そんなこと言われても、」
「やめたら困ることあるん？」
正直ない。やめられるものならやめたいと薄々思っていた。でも何故かやめられなかった。
最初は楽しく飲んでるはずだった。それがいつの間にか周りと競争して、リリーくんを独り占めして、しまいには優越感に浸っていた。
「私もうこんなだよ？」
ホストにハマって風俗始めて友達も離れて…側から見たら底辺だ。
「Aはちょっと道間違っただけ」
俺といれば大丈夫やから。屋敷くんはそう言って私のことを優しく抱きしめてくれた。
お店で会った時もだったけど、どうして私に優しくしてくれるんだろう。私をこんな心配してくれる人は屋敷くんだけだ。そう思ったら涙が出てきたと同時に目が覚めた。
あの世界は華やかに見えるけど実際は暗くてドロドロしたハリボテの世界。そんなところから私を救ってくれた屋敷くんはまるで王子様みたいと思った。
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あんこ(プロフ) - のよさん» 感想ありがとうございます！！書くの頑張ります！✨ (1月8日 16時) (
レス) id: 0a051c8dbb (このIDを非表示/違反報告)
のよ - まじでまじで面白いです！！続き楽しみにしてます、！ (1月8日 3時) (レス) @page26 id: 795fd37f5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこ | 作成日時：2023年11月4日 14時
