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ガシャーンとグラスの割れる音が響く。
やったのは私。頭に血が上って目の前にあったグラスを床に叩きつけた。
「…物に当たっちゃあかんやろ」
リリーくんは慌てる素振りも無く、いつもの声で私を宥めた。その落ち着いた姿が余計私を苛立たせた。
「落ち着いて。ここ店内やし」
リリーくんは淡々としながら私を宥めるけど今は落ち着けない。色々積み重なっていたのがこれをきっかけに爆発した。
リリーくんに彼女がいるかもしれない。他の被りが許せない。ここ最近ずっと妬みに包まれてた。
そして私は彼女でもなんでもないただの客だというのが今改めて思い知らされた。今まであんなに過ごしてきたのに。
「私ただの金ヅルってこと？」
「そんなこと言ってないでしょ」
今の私はモンスターみたいだろう。ああリリーくんに嫌われちゃう。でも口は止まらない。
「彼氏じゃないなんてわざわざ言わなくてもいいじゃん！」
「ごめんな。俺の言い方があかんかった」
あーもうなんか全部無理。
「もういい！ウザい！」
私はリリーくんから貰った指輪を外して床に投げつけた。これに関してはほぼ当てつけだ。カコーンと壁に当たる音が微かにした。
近くにいた内勤が転がった指輪をそっと拾うのが見えた。そんなものほっとけばいいのに。
とにかくここにいてもイライラするだけなのでとりあえず家に帰ることにした。
「送ってくよ」
私はリリーくんの言葉を無視して荷物をまとめる。と、同時に内勤が私に指輪を渡してきた。
「Aさん、これ…」
「いらない。捨てといて」
申し訳ないけど今は人に優しくできない。
「支払い掛けでいいよね？別に飛ばないし」
一刻も早く外に出たい私は支払いせずに店を出た。
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あんこ(プロフ) - のよさん» 感想ありがとうございます！！書くの頑張ります！✨ (1月8日 16時) (
レス) id: 0a051c8dbb (このIDを非表示/違反報告)
のよ - まじでまじで面白いです！！続き楽しみにしてます、！ (1月8日 3時) (レス) @page26 id: 795fd37f5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこ | 作成日時：2023年11月4日 14時
