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最近のAは前みたく元気を取り戻した。むしろ前より笑うようになった気がする。俺はその姿を見て彼氏と順調になったっぽいなとしか思わなかった。
＊＊＊
今日は芸人仲間と飲み会だった。もちろんその中にはAもいた。
飲み会はお開きになり各々店前で解散した。
「Aって今日何線？」
「今日はメトロ」
Aは自分の家に帰る時と彼氏の家に帰る時がある。今日はどっちなのかと思い聞いてみたら自分家だった。
「そしたら途中まで帰ろうぜー」
「うん」
駅まで2人で歩き、改札に入るとちょうどいいタイミングで電車が来たので乗った。
「この時間座れるからいいな」
「ね」
さっきからAの返事がいつものテンションと若干違う。いつもならおしゃべりが止まらないのに。酒飲んでたらなおさら。え、今日もしかしてそんな飲んでないのかな？俺が色々考えていると突然Aが話し始めた。
「彼氏の家に違う女がいるから行けなくなった」
は？
俺はびっくりして思考が一瞬停止した。
「え？どういう事？」
「今違う女の子来てるんだって。やばいよねー」
「何それ。え？」
Aは自分で言って悲しさがぶり返したのか俯いて声を殺すように泣き出した。その姿を見た俺はAの背中をそっとさすった。
Aは両手で顔を覆い始め、背中をさするたびにAの肩が揺れた。
多分だけど彼氏が女連れ込んでるのは今日だけじゃないよな。Aの感じで何となくそんな気がする。
最近の元気は空元気だったのか。無理して笑って辛い気持ちを押し殺してたんだと思うと俺まで悲しくなった。
全然気付けなかった。まさかそんなことが起きていたなんて思わなかったし。
というかそんなクズみたいなことするヤツあり得ねえだろ。やっぱりって言うとアレだけど浮気相手探しだったって事だ。ただでさえ胸糞悪いのにその被害者が大事なAなんてもっと許せない。
「そいつブン殴りてえな」
「えっ」
Aは俺の言葉を聞いた後、びっくりしたのか目をまん丸にして俺の方を見た。
「そいつの家どこ？ブッ殺しに行こうぜ」
「いや大丈夫だよ！」
「大丈夫じゃねえだろ」
「…ヤス頼もしすぎ〜」
俺の突然の暴言を聞いたAはふふっと吹き出すように笑った。
一応俺も笑いながら言ったけど半分本気で殴りたかった。
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あんこ(プロフ) - はなさん» コメントありがとうございます！✨推し芸人さん以外の話も読んでいただけてるとは！とても嬉しいです☺️執筆のモチベになります！頑張ります！ (3月8日 12時) (
レス) @page37 id: 262806c1af (このIDを非表示/違反報告)
はな - コメント失礼します！はじめましていつも楽しく拝見させていただいています！めっちゃ面白くて推し芸人さん以外のお話も読んでしまいます！これからも応援しています！☺️ (3月8日 10時) (レス) id: a3be6b034f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこ | 作成日時：2024年2月15日 2時
