▽一難去ってまた ページ10
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生死をかけたお呼び出しから早数日。
何事も無く、寧ろ丁重に扱われて戻って来たわけなのだが、未だ真綿を首に巻かれた気分であった。
厳かな扉の中へ招かれたと思ったら、壊れたラジオ張りに喋り倒す総統閣下に呑まれた挙句エーミール様という方に中庭を散策させて貰っただけなのだ。
あの行動には何の意味があったのか、もしかしてだけど誰かが私の一連の言動を監視してたとか？
『ん〜……ダメだ、さっぱりわからない』
真意がまるで汲み取れない。今までの母国との手紙なんかも引っ張り出してみたが、特段何かが起こった様子でもない。
首を捻らせた所で答えは出ず、ふぅ…と小さくため息が漏れた。
無駄に豪奢な椅子に背を預けて思い切り伸びをして、そのままぼんやり真白い天井を眺める。
するとタイミングを図ったかのように私の頭上からガタガタと僅かに何かの音が聞こえた。
鼠かなぁ、やだなぁ。
いきなり真上から鼠が降ってくる、なんて事はないだろうが居ると分かるだけでも結構辛い。
前世ではG先輩とすらまともに戦えなかったのだ、ほんと奴が出た時どうしてたんだっけ。
『いっそ此処にバル◯ンでも炊ければ……』
鼠とGを同列に考えるのはどうなのって気もするが。
思わず口から出る文明の利器。ありがとうライ◯ン、多分直接お礼を言える機会はないけど。
……別にバル◯ンだって今世にありはしないのだけれども。
乾いた笑いが出る、すると再び天井の方で何が動く音がした。虫だか害獣だか知らないが、自分の生命に危機でも感じたのだろうか。
謎の勝利を確信しながら、私は積み重ねた手紙の数々を片し始めた。
「やぁ、A王女。ご機嫌如何かな？」
『ご機嫌ようございます、総統閣下』
一ヶ月と経たない内に城へ招かれると誰が予想しただろう？少なくとも私は予想出来ていなかった。
今回は前回と異なって総統とマフラーさん、それにオスマン様のみ。
少数にも関わらず雰囲気はラスボスのそれだ。
相変わらず重圧感溢れるお姿で、とは言えず。
それらしくお澄まししてると、総統は前回同様嬉しそうに話し始めた。
「最近◯◯国の本をよく読まれていると聞いたがどうだった？ぜひ感想をお聞きしたい」
『まぁ、よくご存知でいらっしゃいますのね』
よくご存知過ぎやしないか、怖い。
十中八九いつも来るチーノ様が伝えているのだろうけれど。
◯◯国近代情勢について気になっている点を１つ２つ挙げて話すと、総統は実に楽しげに笑った。
ラッキーゲーム
hoi
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山西 陽朔 - 考えさせられる小説ですね!次回作は南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏するということを作品にするのはいかがでしょうか? (2023年4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - ユッケさん» コメントありがとうございます。好きだと言って頂ける事が何より励みになります。続編でも気長にお付き合いくださいませ！ (2019年8月24日 17時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 未人さん» ありがとうございます！続編も気長にお付き合いくださいませ。 (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 黒コマ先生さん» コメントありがとうございます！続編もぼちぼち張り切って参りますので宜しくお願い致します！ (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 紅葉さん» コメントありがとうございます！初期からのご愛読恐悦です。続編でもよろしくお願いいたします！ (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あん肝ポン酢丸 | 作成日時：2019年8月4日 8時
