□観戦者となる【番外】 ページ46
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「よっ、お姫サン元気しとる？」
『お願いですからドアからいらしてください…』
草木も眠りにつく時間、男は音もなく天井から現れた。彼はいつになればドアの使い道を分かってくれるのだろう。
「なぁ、今なあ？シャオロンとシッマが勝負してん」
『はい？？』
訳の分からない言い分に普通に冷たい声が出た、そんな私に対してゾム様はケラケラと笑う。これは…
『ゾム様、酔ってらっしゃいません？』
「酔ってへーん！な、訓練所に見に行こうや」
『(酔っ払いの常套句だ)』
適当にあしらおうと口を開く前に身体を襲う浮遊感。
圧倒的デジャヴ。怪力鼠に捕まった私は、人生二度目の窓ダイブを味わされる事になったのだった。
「おー、王女やん！！よぉ来たわ！」
「ホンマにご令嬢連れてきたんかぁ」
揺れる内臓器官に生理的な涙が出そうだ。
一握の希望を持って2人の顔を見たが、アレは絶対的に素面ではない。どうしてくれようこの状況。
『ゾム様、これ以上は入れません。降ろして下さい』
「何や何や！！王女様はこんな汗くさい所入りたないってか？！」
『違います、私が入れる施設は契約書に記述されている場のみですので』
私が入れるのは極一部の施設のみだ、当然ながら此処は含まれない。
「あ〜そういやあったな。そんなん」
『総統閣下との契約事ですので……』
普段と異なり間伸びしたような話し方をするシャオロン様、あまりお酒に強くないのだろうか。
「まぁええわ！扉開けっ放しで続きすっから、そこで見とき！！」
「やんのかシッマァ！！」
「何やまだ決着ついとらんのか…」
デカい声で笑うコネシマ様に、拳を振りかぶって襲い掛かるシャオロン様。私は何を見せられてるのか。
「あの2人が肉弾戦ならどっちが綺麗な戦い方するかで勝負してんねん」
『えっと、何故それで私を？』
「ん？審判要員やな！」
人選ミス過ぎやしないだろうか、目の前で拳を交える彼らの動きなどとてもじゃないが目で追えない。
「もぉあかん！足回らんわ……」
勝負あったのだろうか、黄色い彼は唐突に床へと倒れ込んだ。どうやら本格的に酒が回ってきたらしい。
「はっはァ！俺の勝ちやな！！」
「あん？綺麗に戦ってたのは俺やろ！？」
「「なぁ、オレのが良かったよな？」」
キャンキャンと言い争ってた2人の視線が急に此方を向いた。綺麗に声が重なって、4つの熱い瞳が自分を選べと訴えてくる。
だから酔っ払いは嫌なんだ、私は静かに頭を抱えた。
ラッキーゲーム
hoi
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山西 陽朔 - 考えさせられる小説ですね!次回作は南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏するということを作品にするのはいかがでしょうか? (2023年4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - ユッケさん» コメントありがとうございます。好きだと言って頂ける事が何より励みになります。続編でも気長にお付き合いくださいませ！ (2019年8月24日 17時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 未人さん» ありがとうございます！続編も気長にお付き合いくださいませ。 (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 黒コマ先生さん» コメントありがとうございます！続編もぼちぼち張り切って参りますので宜しくお願い致します！ (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 紅葉さん» コメントありがとうございます！初期からのご愛読恐悦です。続編でもよろしくお願いいたします！ (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あん肝ポン酢丸 | 作成日時：2019年8月4日 8時
