▼変わった少女 ページ3
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いつも通りの書類仕事、いつも通り書類に不足がある。なんでやねん。
誰や、ブッパした野郎は。足りない書類の責任者を確認すると、案の上大先生であった。
インカムを通し呼びかけてみるも繋がらない。こういう時は意図的にインカムを外している可能性が高い。
粛清案件やな。今日〆の書類の事を考えながら同僚に大先生の居場所を尋ねる。
「あ？大先生？あー…あれやな、いつもン所や」
苦い顔して答えるシッマに釣られて、自身の眉間に皺が寄るのがわかる。
《櫻鏡園》他国連中が様々な理由で献上してきた女らが住む施設。自分の立場を知ってか知らずか、オレらを見るなり擦り寄ってくる奴らにいい思い出はない。
それはシッマも同じことで、ドンマイとオレの肩を叩きそのまま行ってしまった。
行かないけんのか……。今日に限って部下1人捕まらず、徐々に怒りが込み上げてくる。
こうなったのも全部大先生が悪い。苛立ちに任せズカズカと園に入っていく。
幸いにも令嬢たちは禁止せずともあまり外に出ることがない。建物に入らない限り寄って集られることはないだろう。
なんとか女に会わず奴を引っ張り出せないかと考えていると、ふと斜め前方から視線を感じた。
マリンブルーの髪、この園の中では若年層だろう幼さの残る出で立ち。ガラス玉のようなアメジストの瞳が自分を捉えていることに気がついた。
此方を認識しても一向に寄ってくる気配のない女に僅かに安堵した。
ちょうどええわ、この娘に聞いてみよか。
『なにゆえ関西弁』
ぼんやりした表情の少女は、何も映してないような目でオレを見ていたが、大先生の居場所を聞いた途端ひどく困惑した様子で何かを呟いた。
“かんさいべん”ってなんや。聞き慣れない単語に不信感が湧くも今はそれどころじゃない。
あの書類戦犯をしょっ引くべく、オレは建物内へと足を踏み入れた。
「すまんって。なぁ、とんち〜〜〜」
「うっさいわ、はよ歩け。そして働け」
女の部屋から引っ張り出された大先生は態とらしく両手を合わせて見せた、当然許す筈もない。
こんな場所さっさと出ようと、門前まで戻ると先程の少女がぺたりとその場にしゃがみ込んでいた。
「あれ、Aちゃんやん。何してんやろ」
「なんや、大先生あの娘知っとるんか」
「俺を舐めたらあかんで、ヴェネマーレアの娘や。あとちょっと年が上ならなぁ」
惜しいわぁ。と嘆くクズに軽蔑の目を向けながらオレらは櫻鏡園を去った。
ラッキーゲーム
hoi
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山西 陽朔 - 考えさせられる小説ですね!次回作は南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏するということを作品にするのはいかがでしょうか? (2023年4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - ユッケさん» コメントありがとうございます。好きだと言って頂ける事が何より励みになります。続編でも気長にお付き合いくださいませ！ (2019年8月24日 17時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 未人さん» ありがとうございます！続編も気長にお付き合いくださいませ。 (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 黒コマ先生さん» コメントありがとうございます！続編もぼちぼち張り切って参りますので宜しくお願い致します！ (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 紅葉さん» コメントありがとうございます！初期からのご愛読恐悦です。続編でもよろしくお願いいたします！ (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あん肝ポン酢丸 | 作成日時：2019年8月4日 8時
