▼ちぐはぐな ページ18
kn_side
グルッペンが新しく目をつけた人物がいるらしい。
ウチの幹部の大半はグルッペンが発掘してきた人材であり、かく言うオレもその1人である。
だから、話を聞いた時はまた幹部が増えるかもしれへんとワクワクしていた。まさかそれが檻に入っとる女の1人とは思わへんやろ普通。
まぁ、特に幹部に据えようという話ではないらしい。
しかし、城に頻繁に出入りしている女が気に掛かることも事実。そこで反対派で話し合って強引だが、王女を拐かすことに決めた。
勿論、グルッペン達の許可は取ってない。
『……』
オレの問いに対し、女は一言も返さない。
はて、17歳だと聞いていたが17歳とはこんなに小さいもんだっただろうか。
華奢な身に、整えられた青い髪。通った鼻筋に、小ぶりな唇。ゾムに振り揺すられたせいか紫玉の瞳は僅かに涙が滲んでいた。
じっと見つめていると、シャオロンが「オレらを賊やと思ってるんか」と聞く。
んなわけ…とも思ったが、女は本当に小さく頷いた。マジけ。
適当に自己紹介を済ませると王女はスッと居住まいを正し、華麗な動きで頭を下げた。
「オレらはただA王女に会いたかってん」
黙って聞く女は既に落ち着いている。
初めに得た印象と異なり、見た目はともかくオレらとそう変わらない歳の風貌であった。
ゾムから聞いた通りだ。わかるようで、わからない。
『光栄な限りでございます』
「無理やり連れて来られたのにか？」
オレの問いに王女は表情を崩すこともない。
『国家のご要人が、考え無しに何かをなさるとは思いません』
「ふぅん…随分、オレらを高く買ってくれとるんやな？」
この鋭い頭脳は女には普段滅多にないもので、こういう所に得体の知れない怪しさを感じてしまう。
見た目は歳幼の令嬢であるのに、どこか他とは違う雰囲気。
「なぁ１つええか？」
『はい、なんなりと』
「バル◯ンってんのは何の兵器や？」
……また雰囲気が変わった。目を丸く見開く姿はとても王女とは思えない。
何故と言わんばかりの女にゾムはしれっと監視の事を話した。こっわ。
『あ、あの…えっと、バ◯サンというのは兵器ではなくて』
「ん？兵器とちゃうんか…」
『その、異国で使われている殺虫剤です…』
殺虫剤？何の話かオレとシャオロンにはわからんかったが、ゾムは何か合点がいったらしい。
「あっはっははは！ちょ、お姫サン殺虫剤で鼠殺そうと思っとったん！？」
『どこまで聞いていらしたのですか…っ！』
ラッキーゲーム
hoi
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山西 陽朔 - 考えさせられる小説ですね!次回作は南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏するということを作品にするのはいかがでしょうか? (2023年4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - ユッケさん» コメントありがとうございます。好きだと言って頂ける事が何より励みになります。続編でも気長にお付き合いくださいませ！ (2019年8月24日 17時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 未人さん» ありがとうございます！続編も気長にお付き合いくださいませ。 (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 黒コマ先生さん» コメントありがとうございます！続編もぼちぼち張り切って参りますので宜しくお願い致します！ (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 紅葉さん» コメントありがとうございます！初期からのご愛読恐悦です。続編でもよろしくお願いいたします！ (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あん肝ポン酢丸 | 作成日時：2019年8月4日 8時
