▽大きな鼠が ページ16
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今日も今日とて読書に励む。最近はすっかり法学にハマっていて、色んな国の法律を調べるのが趣味だ。
これが花をも恥じらう17歳の趣味として相応しいかは置いておいて、 非常に充実した日々を送っていた。
そろそろ日も傾き始めた、今日はこれくらいにしておこうかな。私は１つの本を数日かけてじっくり読むタイプだ。
ガタ、ガタ。
いつもの如く頭上から鼠が這う音がする。こうも毎日ガタガタしてると、かえって可愛いもんだとすら思えてくる。
野良のペット(矛盾)に思いを馳せていると、より一段と激しく天井から音がした。
まさか猫でも入って来たのか？鼠が部屋に落ちてきたらどうしよう。
不安な心持ちで自室のダクトを見ていた次の瞬間。
ガコンッ！と派手な音を立て、ダクトのグレーチングが床へと落ちた。
『え……っ！？』
「こんばんわぁ、騒がんといてなお姫サン」
いつの間に現れたのか。
グレーチングと共に落ちてきたらしいその男は、無駄の無い動きで私の喉元に小型のナイフを向けた。
パーカーの様な厚手の上着、被ったフードからは無造作に前髪が伸びており、口元以外を目視することは叶わない。
「あー怖がらんといて？別に今アンタを殺そうっちゅう話やないねん」
『……どちらさまでございましょうか？』
殺す気はないという割に、刃を下ろす気配もない。
関西弁からしてこの男も軍事関係者の可能性がある。
出来るだけ冷静な態度で尋ねると、男はそのサメみたいな歯を見せつけて嗤った。
「毎晩お邪魔しとりました、天井裏の鼠ですわ」
『はい？』
何言ってるんだ、もしかしたら本当にヤバい不審者なのかもしれない。
警戒心から半歩左足を後ろにズラすと、鋭い刃がグッと距離を詰められる。後数ミリ近ければで刺さっていた。
『っ、何が目的なの』
「おお、ようやく普通に喋りよった。お姫サンに来てほしい所があんねん」
『何処に』
「着けばわかるで」
お嬢様口調で話す余裕など無く、キッと睨みながらその真意を問うと男はへらりと笑って刃をホルダーにしまった。
普通に話しているが結構な大ピンチである。
もし生きて帰って来れたら遺書でも書くことにしよう、死亡フラグは突然やって来るのだ。
なんて考えてると、突如謎の浮遊感に襲われた。
『な、なんで…！？』
「ダクトから来てドアから出てく訳ないやろ」
身体を俵担ぎにされ向かった先は窓。
嘘でしょここ3階、言う間もなく開放された窓から男は足を踏み出した。
ラッキーゲーム
hoi
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山西 陽朔 - 考えさせられる小説ですね!次回作は南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏するということを作品にするのはいかがでしょうか? (2023年4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - ユッケさん» コメントありがとうございます。好きだと言って頂ける事が何より励みになります。続編でも気長にお付き合いくださいませ！ (2019年8月24日 17時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 未人さん» ありがとうございます！続編も気長にお付き合いくださいませ。 (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 黒コマ先生さん» コメントありがとうございます！続編もぼちぼち張り切って参りますので宜しくお願い致します！ (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 紅葉さん» コメントありがとうございます！初期からのご愛読恐悦です。続編でもよろしくお願いいたします！ (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あん肝ポン酢丸 | 作成日時：2019年8月4日 8時
