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神永さんが連れてきてくれたのは個室のお洒落なレストランだった。
「それにしてた珍しいっすよね。神永さんが残業なんて」
「まあね。どう？美味しい？」
食べれないものある？とききながらサラダをよそったりしてる。あれ？これって逆じゃね？この人誕生日だよね？それ以前に私女だよね？私は部下で、この人は上司だよね？
「あの、すみません、 せめて自分の分は自分でやります」
「気にしないでいいよ。俺がやりたくてやってるだけだから」
「そうですか？」
あっさり引き下がった私に呆れるのでもなく、どんどん美しく器に料理を盛り付けていく。女受けする甘いマスクで、仕事はできるし、部下を気づかってくれるし今の所思い当たる欠点がない。
「神永さんって本当に面倒見いいですよね」
「俺って割と面倒見るよ好きなタイプだから。ダメな子ほど構いたくなる」
うん、たしかに神永さんに構われている自覚がある。私はダメな子です。
「懐が深いというかなんというか…あ、じゃあ彼女さんもそういう系なんですね〜実際、どこまで許容範囲なんですか？」
「うーん、そうだなぁ。一日中ゲームしててもいいし、ご飯とかお風呂とか洗濯とか全部俺がやるよ。服装に無頓着でも俺が選んで似合うのを着せかえたい」
ひええ
俺なしじゃ生きていけないくらい甘やかしてあげる(暗黒微笑)とか言い出しそうだ。うほー！料理がきた〜ん。
「この店って完全予約制でなかなか行ける機会ないんですよね〜ほんと今日たまたま一緒残業してよかったあ。神永さんまじ連れてきてくれてありがとうございます。本当は今日彼女さん連れてきたかったでしょうけどすいませんねなんか」
するときょとんとして、急に真顔になる神永さん。
「それって、はぐらかされてるのかな。俺結構前から彼女いないけど？」
「え」
私は今までのやりとりを瞬時に脳内再生する。
「君って鈍いの？」
続く
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作者名：あんかさんどら | 作成日時：2019年3月30日 11時
