ジョーカー・ゲーム短編・夢 (ページ4)

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完ページ4

え？結城さんと対局で勝ったことがあるのかって？
聞くな。

いや、馬鹿にした顔してるけど君よりは強い自信があるね。どうせなら何か賭けてみるか。その方が燃えるだろ？そうそう、賭けといえば、訓練生だった時、酒の席で誰が君を落とせるか賭けたことがあったんだ。

女のくせに生意気でいけ好かなかったとか力試しとかその場のノリとか色々理由はあったけど…おお待て待て碁盤をひっくり返すな。
俺が今こんな不毛な昔話をしてるのはな、せめて今君に誠実でありたいからなんだ。わかってほしい。まあ、碁盤から手を離せって。

…あそこまで三好が拗れに拗れたのは俺の責任だからな。さてどこまで話したかな…そうそう、そしたらその時、全然違う話をしていたテーブルから三好がやってきて俺たちに向かって僕があの女を落とすから手を出すなって宣言したんだ。

どうしたんだ？こいついきなりと思ったが、あいつは本気だった。たぶんあの時から君に惚れてたんだと思う。

気づいてたと思うけど、三好はあからさまに気を惹こうとしてた。君には、魔性の気があるっていうのかなあ…。

結城さんは内心口惜しがったと思うよ。だってあいつは結城さんの跡継ぎになりうる男だったから。でも、あいつは君と生きる方を選んだ。

どういうことかって？まあ、要するにだな、三好は死んだ。だが、あいつは生きてる。諜報員から足洗うためには軍の目を欺く必要があったから、殉職扱いになっている。

もうすぐ会いにくると思う。ああ、それとあいつがお前に伝えろって。
僕が諦めたと思ったら大間違いだ、君の方が諦めろ。だってさ。

ジリリリリ

お、来たな。邪魔者は退散するとするか。ゲームはお預けだな。また今度相手してくれよ。