【合作】 アリアー始まりの物語ー

★バレるかバレないか ページ11

小夜side


葵と一緒に教室に入って、自分の席に座る。


私は葵と離れれば話す相手がいないため、いつもと同じ、空気としてただ静かに在り続ける。


けど、今日はやたらと疲れたし、なによりこれからいつNo.2にバレるか怯えながら過ごさないといけないと思うと、ため息しか出ない。


ハァァ…と盛大なため息をついたあたりで、廊下の方からドドドドドドとすごい足音？が聞こえてきた。


ガラッとドアを開けて教室に飛び込んできたのは、さっき廊下で衝突した…。


山崎 蓮！！！


漆黒の髪に艶やかな瞳は、きっと見たら誰しもが惚ける綺麗さなんだろうけど、私は最悪な再開の仕方をしたせいでぜんぜん嬉しくない。


ってゆーか再開することじたい最悪だったわ←


ダラダラと背中に嫌な汗が流れて、心臓がバクバクする。


(大丈夫大丈夫いつも通りいつも通り空気空気空気！！！！)


できるだけ縮こまって彼の視界に入らないように体を少しずらす。


ハァ…ハァッ…と荒い息をしながらグルリと教室を見渡す姿が、私の視界の端の端に映った。


(お願いします神様ッッ…絶対バレないで！)


ギュッと胸の前で両手の平を合わせて目を瞑る。


それなのに…


「っ！いたっ！」


お願いお願いお願いお願い！！！私じゃないでっ！！


「宇都宮 小夜ッ！」


あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…！

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