★カノン ページ16
小夜side
先生に頼まれたプリント作りを終わらせて、ふぅと息を吐く。
今は、放課後。あの後結局連くんから何か言われることもなくて、結構平和に過ごすことができた。
取り合えずできたプリントの束を持って教室を出る。
職員室まではそこそこ距離があって、歩くのが億劫にもなるが頼まれて引き受けたのだから仕方ない。
はぁ、とため息を吐いて自分の受け身に情けなくなる。
だって、ホントはこの仕事は他の子が引き受けたものだった。
それなのにその子が「部活がある」とか何とか言って先生に断りもせずに行ってしまったのだ。
そして、運悪く教室に残っていた私にその役目が回ってきてしまった。
最初は葵も手伝ってくれていたけど、「部活があるから、ゴメンね!」って何度も謝りながら去っていった。
と、いうわけで結局一人で作業を終わらせて現在に至る。
職員室にプリントを届けてとぼとぼと教室へと歩く。
辺りは夕方でだんだんオレンジ色に染まり始めていた。
ボーッとしながらその様を眺めて歩く。渡り廊下を渡りきって1組の教室を横切ったあたりで、
ピアノの、音がした。
ピタリと足を止めて無意識に耳をすます。どこか懐かしい、聞いたことのある音だった。
自然と足が動いて、音の元にふらりと歩きだす。引き寄せられるように教室を通り過ぎた。
「カノン?」
カノンだった。ふと、3年前、四天王決定戦予選の時のことを思い出した。
まだ、ピアノが楽しくて楽しくて、訪ねられたら「大好きだ」と胸を張って答えられた時のこと。
周りの人たちみんな上手で、聞いたことのない難しそうな曲を弾いていて、
私もいつか弾けるようになるのかなって、ワクワクした。
私の選曲は、『カノン』。私の、大好きな曲。
ポロロン、と音がして、曲が終わった。
私は、音楽室の前に立っていた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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君の膵臓をたべたい
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花恋(プロフ) - じゅ、受験... (2020年10月17日 11時) (レス) id: beb1340a63 (このIDを非表示/違反報告)
あんなつ♪(プロフ) - 花恋さん» ふぉうそうなんだ……。確か受験がって言ってたから、終わったら戻ってきてくれるかな……? (2020年10月17日 11時) (レス) id: 2efed111d7 (このIDを非表示/違反報告)
花恋(プロフ) - 「よろしくねぇ!といっても今私は占いツクールにはいないので来年にいろいろ見ます!」って書いてあったよ! (2020年10月17日 11時) (レス) id: beb1340a63 (このIDを非表示/違反報告)
花恋(プロフ) - 私も待つ!信じる!とりまボードにお邪魔してくるよ! (2020年10月17日 11時) (レス) id: beb1340a63 (このIDを非表示/違反報告)
あんなつ♪(プロフ) - 花恋さん» 分かんない……。でも戻ってくるって信じてる!カロロンの作品の管理は私が任されてるから、帰ってくるその時まで作品たちと一緒に待ってるよ! (2020年10月17日 11時) (レス) id: 2efed111d7 (このIDを非表示/違反報告)
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