砂 ページ19
「「やめろぉぉぉぉぉぉ!」」
「俺こそが飢え、俺こそが渇き、お前から明日を奪う者……
サラサラ
金色の契約書は跡形もなく砂に変わっていく
その光景を目の当たりにして僕は言葉もなく手を伸ばすことしかできなかった
寮長はもっと酷い顔をしていた
今まで大切にしていたものを目の前で破壊されたのだから
しかももう取り返しがつかない
かける言葉もない
「あ、あぁぁ……僕の、黄金の契約書が……全部、塵に……」
「寮長……」
僕はただ見ていることしかできなかった
それだけ大切なものだったんだろう
にしてもあの契約書は何だったんだろうか
見た感じ何かしらの魔法をが具現化した物だったけど……
と、考え込んでいた次の瞬間
「あ〜〜〜!もうやだ〜〜〜!」
「「!?」」
今までの寮長からはありえない位情けない声が響いた
え、今の寮長の声?
いつも冷静沈着で落ち着いているあの……?
「消えた……コツコツ集めた魔法コレクションが……僕の万能の力が……」
「……何だぁ?」
「急にキャラが……」
「ちょ、ちょっと寮長急にどうしたんですか……?」
魔法コレクション?万能の力……?
……もしかして、契約を通して魔法を奪って?
だから取られないようにVIPルームの最奥の金庫にあんなに厳重に保管してあったのか
見た感じ、直接手を加えられたら簡単に壊れてしまったし、あの壊れないというのはパフォーマンスだったのか……
「あぁもう全てがパァだ!なんてことしてくれたんだ!アレがなくなったら僕は……僕はまた、グズでノロマなタコに逆戻りじゃないか!そんなのは嫌だ……いやだ……いやだ……!もう昔の僕に戻るのは嫌なんだよぉ!」
「……え?」
その言葉を聞いて僕は頭が真っ白になった
アレがなくなったらグズになる?
それって、今まで奪った能力を自分のものにしてたってこと?
そんなの、そんなの……
(ずるじゃないか。)
僕は寮長が努力を重ねて今の地位を築いてきたんだと思ってた
だから尊敬していた、心から
でもそれが他人から奪った才能なら……
今まで抱いていた尊敬の気持ちが、憧れが、一気に崩れ去った気がした
自分も努力を重ねれば報われるって
人気者になれるって
寮長の姿を見てきたからそう希望を持てたのに……
そうこうしている内に黒いオーラが辺りに充満しだした
「なんだ……!?黒いオーラが……」
「レオナさんが期待させて落とすようなマネするからっすよ!アズールくーん、ほ、ほら、ちょっと落ち着こ?ねっ!」
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あんかけうどん(プロフ) - タイミーさん» ありがとうございます!ファンアート大歓迎でございます!ぜひぜひ描いてくださいまし! (6月20日 23時) (レス) id: 8768b9e08b (このIDを非表示/違反報告)
タイミー(プロフ) - 後失礼ながら私ラドル君の見た目とても気に入ってしまったので描いても良いですか?ダメでしたらすみません💦 (6月20日 23時) (レス) id: 908dc4d734 (このIDを非表示/違反報告)
タイミー(プロフ) - 最新話まで追いつきました‼︎続きとても気になります‼︎無理せずに頑張って下さい(*´∀`*) (6月20日 23時) (レス) id: 908dc4d734 (このIDを非表示/違反報告)
あんかけうどん(プロフ) - TRIXIEさん» ありがとうございます!これからどんどん転落していくのでかわいそかわいいラドルくんをどうぞよろしくお願いします! (5月28日 15時) (レス) id: 8768b9e08b (このIDを非表示/違反報告)
TRIXIE - 続きが出ている...!有難うございます!貴方様の動かすランドールと夢主が大好きです! (5月28日 14時) (レス) @page15 id: 2c398aa4dc (このIDを非表示/違反報告)
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