久しぶりの片割れ ページ12
【瑠璃、あぁ私のかわいい瑠璃……】
誰かが僕の名前を呼んでいる
どこかで聞いたことがあるような、優しく、けど冷たい声
【貴方は私の宝物。絶対に私から離れちゃだめよ。お母さんを裏切ったり、期待外れなことをしない、いい子に育つのよ】
あぁそうか
これは前世の母の声
まるで呪いのようなその言葉は小さな頃から毎日毎日言われ続けていた
父は僕が生まれる前に浮気相手と一緒に蒸発したらしい
プライドの塊の母は僕を彼以上のエリートに育て上げようとした
理想の塊のような人間にしようとした
【真面目な優等生でいなさい、そうでなければ息子じゃないわ。】
【この子は本当にいい子なんです。自慢の息子ですわ。】
【愛しているのよ瑠璃、可愛い私の子。貴方は言われた通りの事をし続けていればいいの。お友達なんて作る必要なんてないわ。あんなお荷物でしかない存在、早く縁を切っていらっしゃい。できないなら今日のご飯は無しよ。】
【何でこの程度のことができないの？貴方は私の息子でしょう？いいえとは言わせないわ。返事は【はい】しか認めないわ】
そうやって僕は毎日言われた事に【はい】と答え続けた
勉強もスポーツも頑張った
母に褒めてほしくて
その願いはついぞ叶うことは無かったけど
それでも、僕は
(たった一言だけでいい、褒めてほしかった。頑張ったねって、抱きしめてほしかったんだ……)
ーーーーー
『もしもーし。聞こえてるぅ？おーい……起きろやバカタレ！』
「ぅ……ん……？」
声に起こされ目を開けた僕の目に最初に飛び込んできたのは手をふるランドールの姿だった
「……わ"！？」
『お久しぶりぃ。』
「なんで出てきて……ぅ……！」
慌てて体を起こすと共に目眩と頭痛に襲われる
頭がなぜだかぐらぐらぐちゃぐちゃして気持ち悪い
でもその感覚は徐々になくなっていき、考えもまとまってくる
そして思い出した
「そうだ僕は……君が出てくるのを恐れるがあまり薬を乱用して……皆に酷いことを……」
思い出すだけで涙が溢れてくる
何故皆にあんな仕打ちができたのか自分で自分が信じられない
まさか危険な失敗作の魔法薬をぶちまけるなんてどうかしてる……
おまけに寮長に薬草を嗅がせて記憶処理まで……
他にも自分の発言の数々が非人道的すぎて一周回って笑えてきた
酷すぎる
『とんでもない暴走っぷりだったぞー？見てる俺がドン引く程度にはな。』
「それは僕が一番良くわかってるよ……というかなんか君前より透けてない？」
ふとランドールを見ると何故か前よりも姿が透けて見えた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんかけうどん(プロフ) - タイミーさん» ありがとうございます！ファンアート大歓迎でございます！ぜひぜひ描いてくださいまし！ (6月20日 23時) (
レス) id: 8768b9e08b (このIDを非表示/違反報告)
タイミー(プロフ) - 後失礼ながら私ラドル君の見た目とても気に入ってしまったので描いても良いですか？ダメでしたらすみません💦 (6月20日 23時) (レス) id: 908dc4d734 (このIDを非表示/違反報告)
タイミー(プロフ) - 最新話まで追いつきました‼︎続きとても気になります‼︎無理せずに頑張って下さい(*´∀｀*) (6月20日 23時) (レス) id: 908dc4d734 (このIDを非表示/違反報告)
あんかけうどん(プロフ) - TRIXIEさん» ありがとうございます！これからどんどん転落していくのでかわいそかわいいラドルくんをどうぞよろしくお願いします！ (5月28日 15時) (レス) id: 8768b9e08b (このIDを非表示/違反報告)
TRIXIE - 続きが出ている...!有難うございます!貴方様の動かすランドールと夢主が大好きです! (5月28日 14時) (レス) @page15 id: 2c398aa4dc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
