忘れ去られた九番目“虚構”

さｧさｧ喝采をｫ!! ページ4

〜*真昼side*〜

俺はあの生徒の状況で察した。あの首筋にあったのは噛み跡だ!となれば吸血鬼しかいないだろう。

生徒が倒れていた廊下にいなくなっていたという事は、まぁ、学校から出ていった可能性もあるが、学校内にまだいる可能性も高い。

「おい…揺らすんじゃねぇ、酔うだろうがっ…」

前に抱えているリュックがもぞっと動き、中から声がした。

真昼「そんな事言ってる場合じゃねぇよ、吸血鬼がいるかもしれないんだぞ!」

クロ「俺の知ったことじゃね〜よ…めんどくせ-」

そんな気怠気な声の発信元を首根っこを掴んで引っ張り出す。

この間猫についての本を読んだんだけど、親猫が子猫を移動させる時、子猫の首根っこを加えて移動するらしい。ここを掴んだら大人しくなるはずなんだが…

クロ「おい、離せっ!可愛い可愛い飼い猫を乱暴に扱うなんて…」

大人しくなるどころか、逆に騒がしくなった。

「あーもううるせぇ!!お前も吸血鬼を探せ!!危険なんだから!!」

大声で怒鳴った。当然廊下にいた生徒は怪しげな目でこちらを見てくるが気にしない事にする。…恥ずかしいけど。

クロ「はぁ………」

怒鳴り声が効いたのか、クロはようやく大人しくなった。

にしても吸血鬼は見当たらない。まだ学校全体を探したという訳じゃないんだけど、あの倒れた生徒の話がまだ届いていないくらいかなり遠くまで来ていた。やっぱり外に出ていったのか…?

「さｧさｧ喝采をｫ!!」

前方から聞き覚えのある声がした。





〜続く〜

恐怖のマジシャン→←まさか此処で会えるなんてね

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