虚構は人間になり澄まし ページ1
〜*Aside*〜
私はガラリ、と教室の扉を開けた。
特に視線は集まらない。無言で自分の席に座ると、
真昼「お、A、おはよう!」
と、隣からニパッと太陽の様な笑顔を浮かべてくる真昼がいた。
私は特にリーダーの様な目立つ存在でもないし、コレといった特技もない…っていう人間設定だけど…。そんな目立たない私に話し掛けてくれるのは真昼と、桜哉とか、その辺り位だ。クラスの女子とは、まぁちょっと挨拶を交わすくらいかな…。
だからこそ朝に笑顔で挨拶をしてくれる真昼には私は少し感謝している。
A「おはよ、真昼」
マスクで口が覆われているから、笑ったことは分かりづらいかも知れないけれど精一杯の笑顔を向けてみた。自分の意思で笑顔は苦手分野なんだけれど、笑顔で話し掛けてくれる真昼に無愛想な顔で返すなんて出来ない。
桜哉「お〜Aと真昼ッ!!おっはよ〜」
ぺしッといきなり背中を叩かれビクリとする。何度も驚かすような挨拶には慣れない。
A「お、おはよう、桜哉」
真昼「お〜桜哉、おはよう!」
ニコニコと、先程と同じく太陽のような笑みを浮かべ返す真昼とは対称に、私はさっきの驚きでひきつったで笑みを返す。
桜哉「おいおい、A〜何時も通り
カチカチな笑い方だなぁ〜」
そういって桜哉は私の固まったような頬をグニグニと引っ張ってきた。
A「痛い、痛い痛い〜!桜哉やめて〜!」
桜哉の手をペチペチと叩きながらやめるように言う。
自然と頬が緩んでくる。やっぱり桜哉は面白いなぁ。。
桜哉の頬をつねり御前何やってんだ、と怒る真昼と、あはは、と何時も通りに笑う桜哉をボンヤリと眺める。
もしも…もしも二人が、私が吸血鬼だって知ったら笑ってくれなくなるのかな。その顔には雨が降るかな、雷が落ちるのかな。
チラッと教室の窓を見る。雲一つないわけではないが、青空が見えている。
真昼「おい、A?どうしたんだボンヤリして。」
真昼と桜哉が私の顔を覗きこんできた。私は一旦暗い思考を停止して、
「ううん、何でもないよ!」
と自然のような笑みを浮かべた。
その時先生が授業を始める合図をして、慌てて席に戻る二人を見て私はふっと吹き出しそうになった。
〜続く〜
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黯架 - うわああありがとうございます!めっちゃ寝ますね(笑)頑張ります*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・* (2020年3月13日 16時) (レス) id: 1175078eb4 (このIDを非表示/違反報告)
しょーゆー(プロフ) - 貴方様の小説が好きすぎて朝と昼と夜しか眠れませn(( めっちゃ好きです!!応援してます! (2020年1月6日 16時) (レス) id: 70ec3f117a (このIDを非表示/違反報告)
杏花 - 気付かなかった…ご指摘ありがとうございますっ!多分コレで大丈夫かと (2019年7月10日 17時) (レス) id: 9321077a4f (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年7月10日 17時) (レス) id: aa79e4e0f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黯架 | 作成日時:2019年7月10日 17時