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僕はその後を追うように、大広間から飛び出した。なんとなく、心配で、仕方なかったのだ。
「……あれ、」
しかし少し走ったところ、彼女の姿を見失ってしまった。失敗、もう少しちゃんと見ながら走ればよかった。そんなことを後悔しながらも、僕は辺りをキョロキョロと見渡す。でも彼女の姿を一切見つけることができなくて、はあ、とため息をこぼした。
そして中庭まで走り、杖を取り出す。頭上に向かって杖を振ろうとしたその時、何か黒い影が、僕を覆った。
「何をしているのですかな、Mr.ブラック」
くそッ。僕は思わず心の中で悪態をついて、影の主、スネイプ先生を振り返った。
「すみません先生。新しい呪文が完成したような気がしたのですが、どうやら失敗だったようです。今すぐ大広間に戻りますね」
ニッコリと効果音のつきそうなくらい笑みを貼り付けて、僕はその場から逃げようとする。スネイプが僕を減点することはまずないし(だって僕はスリザリン生だから)、多分ちょっといちゃもんをつけようと思ったのだろう。だとすればこれで逃げ切れる。僕は走って城まで出て、今度は3階に上がって、窓に身を乗り出す。
「アクシオ！箒！」
それを言った後に僕は窓から飛び降りて、そして向かってきた箒を確かに握った。それにまたがって勢いをつけながら僕は空を浮遊する。それはなんとも、気持ちいのだが、今はそれどころじゃない。
ビューンと、めちゃくちゃな勢いをつけながら、僕は大雑把に地上を見ていく。ダフネと同じ黒髪を見つけては少し降り、見つけては少し降り、を繰り返していると、やっとの事で彼女のことを見つけることができた。近づいてみれば、彼女は誰かと話しているようで、僕は少し離れた場所から、彼女の元に向かうことにした。
箒に寮に戻るように呪文をかけて、僕は歩き出す。どんどん歩いていくと、なんとダフネのいた場所から、セオドールが出てきたのだ。思わず足を止めるも、彼はまるで気づいていないように僕のことを無視して、隣を通り過ぎた。僕はため息をこぼして、ダフネの元に走る。
「ダフネ、大丈夫？」
「ごめん、さっきはごめんなさい。大丈夫よ。ちょっとだけ……ごめん」
「いや、僕も君に結構見苦しい姿を見せてるし、全然、気にしないで」
そう言って僕は彼女の隣に座る。するとダフネは、小さく口を開いた。
「前に、ノットの気持ちの方がわかるって言ったじゃない」
あなたは友達だから、聞いてほしいの。彼女は続けた。
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作者名：あんころころもち x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年5月13日 9時
