獅子の英雄 ページ32
ゴーントさんは目を細めてこちらを見つめる。ムッと口を窄めて、確かに睨んでいた。しかしすぐに、大きなため息をついた。
「正義感の強い奴ってのはこれだから……」
「……」
心の中でダンブルドアに謝った。きっとこの人からの協力を得ることはできないだろう。なぜなら僕は、何も考えずに大きな声で、この人を罵ったのだから。
「いいだろう。協力するよ」
「え？」
驚いて、思わずそんなふうに言ってしまった。そうすればやはりゴーントさんは顔を顰める。
「鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしやがって。本当に失礼なガキだね！」
「でも、だって……」
「昔死んだ親友に、あんたは少し似ている。マ、あんたなんかにゃ比べものにならんぐらいいい女だったけどね」
「……」
「レイチェル・ロジエールについての記憶を提供すればいいんだろ。……ただ残念ながらあたしゃ本当に、あの女について知らないんだ知りたくも、なかったしね」
ゴーントさんは目を細める。何を考えているのか僕には全くわからなかった。彼女は続ける。
「でも、あたしの親友は、あの女を救いたがっていた。それがたとえ、大切な存在を残して死ぬようになったとしても」
「……」
「いいかい、小僧。あたしの記憶を見る前にあんたは覚悟をしなければいけない」
僕に人差し指を突きつけ、彼女は続ける。
「もし、あんたが死ぬようなことになった時、それはあんただけの問題じゃないことを理解しなけれならない。大切な人の心を殺す、覚悟をしなければいけない」
「お前が死んだら、何百人の人々の、いや、小僧に場合はもっとか。とにかく多くの人を殺すことと同じだ。いいね。お前はお前じゃない。ある意味で、お前と他人は一心同体なんだ」
「……」
「……これは、ただの、正義感バカに残された人間の言葉だよ。いいね」
「あんたにそれが約束できるのなら、あたしゃ今すぐにでもこの記憶を渡そうじゃあないか」
心が揺れ動く。彼女の言っていることを考えた。
確かに、セドリックが死んだとき、僕の心は一度死んだじゃないか。
シリウスが死んだとき、やっぱり僕の心は死んだも同然だった。
大切な人が永遠に会えない場所に行ってしまうのは、あまりにも残酷で、耐え難い。
「数日待とうか。決心をつける期間は必要だ。あたしもそこまで」
「いえ、大丈夫、です」
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あんころころもち@多忙(プロフ) - マニ。さん» ありがとうございます🫶 そのお言葉を励みにがんばります！ (3月7日 2時) (
レス) id: e53fc357d1 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - あんころころもち@多忙さん» ✉️。こっちの作品も面白いです！後だと茶番の方とか遅れてごめんなさい💦、これからも更新応援してます。☺️ (3月5日 21時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち@多忙(プロフ) - あまねさん» やたーーーありがとうございます❤️ (9月16日 15時) (レス) id: 59f64f1814 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち@多忙(プロフ) - ｴﾇｴﾇさん» ありがとうございます☺️しっかり闇の帝王なヴォルさんを作りたいがための作品です！読んでくださってありがとうございます〜❤️ゆっくりな更新ではありますが、よろしくお願いいたします🙇 (9月16日 15時) (レス) id: 59f64f1814 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - たああああああああすき (9月9日 16時) (レス) @page37 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころころもち | 作者ホームページ：
作成日時：2021年8月25日 18時
