獅子の英雄 ページ30
「これが、かの……」
歳をとってすっかり白髪になった髪と、バイオレットの瞳。睨むようにこちらを見つめている。僕はごくりと息をのんだ。高圧的な彼女の姿が、少し恐ろしかった。
「……こ、こんにちは」
「アルバス。あたしはこんなくだらない戦いに、参戦するつもりなんてないよ」
値踏みするようにじっとりと見つめた後 すぐに彼女は目を逸らしてダンブルドアにそう言った。
「そう言わないでおくれ、エリザベス。力を貸して欲しいのじゃ」
「あなたには確かに恩がある。でもそれは、第一の戦いの時に十分返したはずだ」
「あ、あの……」
僕はおずおずと声をかけた。そうすれば、また彼女の薄暗い瞳がこちらを見つめる。
「おっと、紹介が遅くなったのう、ハリー。こちらはエリザベス・ゴーント。少女時代、レイチェル・ロジエールの親友じゃった人だ」
「ごきげんよう、生き残った男の子。先ほどの紹介を訂正させていただくわ。あたしゃロジエールなんかとは親友じゃなかった」
「ハリー・ポッターです。ミス・ゴーント……え、あれ？」
「その通りじゃ、ハリー。エリザベスはスリザリンのもう一人の継承者でのう。トムとはいとこの関係なのじゃよ」
「……」
言われてみれば、そのじっとりとした目つきや、所作が、学生時代のトムに似ている気がした。見下すような瞳には、蛇のような威圧感もある。
「こんな若者が、戦争に駆り出されるのか」
「……」
「第一次の時もそうだった。子どもが生まれたばかりの家庭も、妊婦も、じじばばも、同じく、等しく、殺されていった。懐かしいねえ。あの時代の惨劇を、再び繰り返そうとは」
「今回で、終わりじゃ。エリザベス。今回こそ、メリッサや、先の戦いで逝った多くの仲間の無念を、晴らすときじゃ」
「……」
「わしは少し、席をはずそう。ハリー、エリザベスと話をしてみると良い。何か共通する点もあるじゃろう」
「え？」
僕がなにかを言う前に、先生はその場を離れて行ってしまう。僕は残された老婆を凝視した。
ピンと伸びた背中に、きっちりと整えられた髪。一文字に結ばれた唇から、何が語られるのか、僕は少しだけ興味を持ったのだった。
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あんころころもち@多忙(プロフ) - マニ。さん» ありがとうございます🫶 そのお言葉を励みにがんばります！ (3月7日 2時) (
レス) id: e53fc357d1 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - あんころころもち@多忙さん» ✉️。こっちの作品も面白いです！後だと茶番の方とか遅れてごめんなさい💦、これからも更新応援してます。☺️ (3月5日 21時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち@多忙(プロフ) - あまねさん» やたーーーありがとうございます❤️ (9月16日 15時) (レス) id: 59f64f1814 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち@多忙(プロフ) - ｴﾇｴﾇさん» ありがとうございます☺️しっかり闇の帝王なヴォルさんを作りたいがための作品です！読んでくださってありがとうございます〜❤️ゆっくりな更新ではありますが、よろしくお願いいたします🙇 (9月16日 15時) (レス) id: 59f64f1814 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - たああああああああすき (9月9日 16時) (レス) @page37 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころころもち | 作者ホームページ：
作成日時：2021年8月25日 18時
