穴熊の女 ページ20
さて、それからいったいどのくらいの時が経っただろうか。レギュラスは死喰い人となり、彼のもとで働くこととなった。レギュラスはすごくうれしそうに、私にそれを伝えてくれたのが記憶に新しい。
気持ちはものすごくよくわかる。あの人の印をこの身に刻めるだなんて、幸せに違いないもの。
しかし今日、久しぶりに私の元へ訪れたこの青年はひどく沈んだ顔をしていた。目の下には酷い隈があって、なんとも不幸そうな顔つきをしていた。つい最近、大きな仕事を達成したばかりだというのに。
どうしたのだろうかと思ったけれど、なんとなく聞けず、私は黙ってその隣に座っていた。
居心地が悪いが、私は出来るだけそれを表に出さないようにした。彼の側近である私が、動揺を表に出すなど言語道断だもの。
「むかし、」
しばらくして、レギュラスは口を開いた。私は何も言わず、彼を見つめる。そうすれば、彼は苦しそうに続けた。しかし、苦しそうではあるけれど、その瞳には、なにか覚悟を決めたような、強い光が宿っていた。
「あなたに聞いたことがあります。どうしてあなた様のお姿は、私があった時から変わっていないのかということを」
「……そんなこともありましたね」
重い沈黙。口を開かない私にしびれを切らしたのか、レギュラスはつづけた。
「レイチェル様は、分霊箱をご存じですか」
「……」
「殺人を犯すことによって、魂を他者に憑依させるというものです。そしてそれは動物でも可能です。呪いに耐え切れず命を落とすもの、通常通り年を取るもの、そして＿＿成長がぴたりと止まってしまうもの」
表情を、変えなかっただけ賞賛に値するだろう。一転に視線を注ぎ、表に表情が出ないように努める。何というべきか、考えあぐねていた。
そしてまさか、思わなかったのだ。誰かに教えてもらったわけでもなく、彼の真実にたどり着けた人間がいるだなんて。
「あなたはあの方の分霊箱なのですね」
きっと彼には、何かしらの確信があるのだろう。しかし、私はそれを、否定も肯定もしない。ただ、彼が先を言うのを待っていた。
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あんころころもち@多忙(プロフ) - マニ。さん» ありがとうございます🫶 そのお言葉を励みにがんばります！ (3月7日 2時) (
レス) id: e53fc357d1 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - あんころころもち@多忙さん» ✉️。こっちの作品も面白いです！後だと茶番の方とか遅れてごめんなさい💦、これからも更新応援してます。☺️ (3月5日 21時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち@多忙(プロフ) - あまねさん» やたーーーありがとうございます❤️ (9月16日 15時) (レス) id: 59f64f1814 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち@多忙(プロフ) - ｴﾇｴﾇさん» ありがとうございます☺️しっかり闇の帝王なヴォルさんを作りたいがための作品です！読んでくださってありがとうございます〜❤️ゆっくりな更新ではありますが、よろしくお願いいたします🙇 (9月16日 15時) (レス) id: 59f64f1814 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - たああああああああすき (9月9日 16時) (レス) @page37 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころころもち | 作者ホームページ：
作成日時：2021年8月25日 18時
