穴熊の兄 ページ1
バロン・ロジエールは困惑していた。よもやこんなことになるとは思わなかったのだ。
今日、初めて死の呪いを使った。一瞬で、あっけなく、それゆえに罪悪感などみじんも感じなかった。それはどこか他人事のようで、そんな自分に寒気がした。
もっと、こう、もっと、人を殺した時には、手が震え、足が震え、その罪悪感でだめになってしまうものだと思っていた。それが、人として普通のことだと思っていた。
しかし自分はどうだ。そのことに、なんら違和感すらも感じなかったのだ。
「……」
バロンは自分の杖を撫でる。あの呪いを唱えたとしても、その杖を握ればほんのりと暖かたった。この杖と一緒ならば、無敵になれるような気がしていた。
しかしこの杖は今、なんだか自分を突き放したように、罪悪感すら抱けない自分を見限ったように、あの暖かみは感じなかった。
「バロン・ロジエールだろう。久しぶりじゃないか」
ぼんやりと己の杖を見ていたバロンに、どこかで聞いた声のある声がかかる。そちらを見れば、美しいブロンドの男が立っていた。何らかのパーティで見たことがある。確か、アブラクサス・マルフォイだ。
バロンは思わず立ち上がって、アブラクサスに頭を下げる。この人の醸し出す雰囲気は、どこか威圧感があって苦手なのだ。
「お久しぶりです。マルフォイ氏」
「そうかしこまるな。一杯どうだ？」
「喜んで」
先ほど立ち上がった席にもう一度座る。アブラクサスの頼んだワインを待ちながら、なんだか少し緊張していた。
「初めて狩ったと聞いたが、どのように感じた？」
なぜ知っているのかと驚いて、思わずアブラクサスの方を見る。そうすれば彼は、不敵に微笑んでバロンを見た。そんなことを質問するのは赦されない、そう感じ取る。
「とくに、なにも。ただ、あっけないものだと、そう」
バロンは視線をそらした。そんな彼を見て、アブラクサスは不敵に微笑む。なるほど"これ"は存外に使える駒かもしれない。
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あんころころもち@多忙(プロフ) - マニ。さん» ありがとうございます🫶 そのお言葉を励みにがんばります！ (3月7日 2時) (
レス) id: e53fc357d1 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - あんころころもち@多忙さん» ✉️。こっちの作品も面白いです！後だと茶番の方とか遅れてごめんなさい💦、これからも更新応援してます。☺️ (3月5日 21時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち@多忙(プロフ) - あまねさん» やたーーーありがとうございます❤️ (9月16日 15時) (レス) id: 59f64f1814 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち@多忙(プロフ) - ｴﾇｴﾇさん» ありがとうございます☺️しっかり闇の帝王なヴォルさんを作りたいがための作品です！読んでくださってありがとうございます〜❤️ゆっくりな更新ではありますが、よろしくお願いいたします🙇 (9月16日 15時) (レス) id: 59f64f1814 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - たああああああああすき (9月9日 16時) (レス) @page37 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころころもち | 作者ホームページ：
作成日時：2021年8月25日 18時
