336限目 ページ37
「なに、この音」
突如始まった爆発音に、僕はダフネに聞いた。ダフネも首をかしげて、音の方向を見る。談話室だとうるさいので、空き教室で勉強をしていた僕らは羽根ペンを置いて扉を開けた。
「きゃっ!?」
一番初めに出たダフネが悲鳴を上げる。
「どうかしたか?」
「いいえ。何にもないわ。ただびっくりしただけ。これ、何が起きてるの?」
廊下のあちこちで花火がさく裂し、それらは意思を持って生徒たちを襲っていた。とりあえず僕らはダフネを教室の中に引き戻し、ドアを閉める。
「一体何が起きてると思う?」
「まあ、グリフィンドールの仕業だろうな」
「……」
と言っても、ここにいたって現状は何もわからない。僕らは同時に顔を見合わせて、それで外に出る決意をした。
外に出て、騒ぎの中心はウィーズリーの双子だということが判明した。空を彩る花火とを見つめながら、僕らはため息をこぼす。
「ウィーズリーの双子って、僕あんまり得意じゃないんだよね」
「僕は関わったことがない」
「同じく。これから関わる予定もないしね」
一年生だか二年生だかの時に変に絡まれてから、ここまで関りはほとんどなかったけれど、得意でないものは得意でないのだ。
「なにもないといいけど」
「最近、あの女が騒ぎ立ててうるさいのよ。このくらい問題を起こしてくれた方がいいわ。忙しくてちょっとは静かになるでしょうし。これに関してはウィーズリーに感謝ね」
「……」
ダフネのアンブリッジ嫌いは相当である。僕は花火を見つめながら、彼女にバレないように肩をすくめた。
「勉強、今日はもういいか」
「もう少しでフクロウね。いやになっちゃう」
「……」
ダフネの言葉で一気に現実に引き戻された僕は、もう少しだけ勉強をしようと思い直した。
ウィーズリーの双子が退学をしたと聞かされたのは、それから数時間後であるけれど、まあ別にそこまで彼らに興味ないから、どうでもいいことである。
372人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんころころもち(プロフ) - なんでもあかさん» 良かったです!藩王が遅くなってごめんなさい!これからもぜひぜひよろしくお願いします! 😘😘 (2021年11月25日 17時) (レス) id: 45eb699a28 (このIDを非表示/違反報告)
なんでもあか(プロフ) - あんころころもちさん» 直せてます! (2021年11月25日 4時) (レス) id: 3823565db4 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち(プロフ) - なんでもあかさん» 直せた、でしょうか?よろしければ確認していただけると! (2021年11月17日 23時) (レス) @page5 id: 45eb699a28 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち(プロフ) - なんでもあかさん» あれ、ホントですね……。もう一度直してみますね!教えてくださってありがとうございます!! (2021年11月17日 23時) (レス) id: 45eb699a28 (このIDを非表示/違反報告)
なんでもあか(プロフ) - 名前変換できてません、 (2021年10月28日 20時) (レス) id: 47b391de74 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あんころころもち | 作者ホームページ:
作成日時:2021年8月3日 14時