蛇の僕と獅子の君。Part 8【ハーマイオニー・グレンジャー】 (ページ25)

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「むむむ……とにかくだ。そんで__セストラルだ。うん。まあ、こいつらには色々とええところがある」

「どうかしら。あなたハグリッド先生が話していること、理解できるかしら?」

　わざとらしい声で、アンブリッジはパーキンソンに問うた。彼女は苦しそうにしながら、笑い声が漏れないようにゆっくりと話し始める。

「いいえ……だって……あの……話し方が……いつも唸ってるみたいで……」

「あー……うん……セストラルのええところだが。えーと、この群れみたいに一旦飼い慣されると、みんな、う絶対道に迷うことはねえぞ。方向感覚抜群だ。どこへ行きてえってこいつ何言うだけでええ__」

「もちろん、あんたの言うことがわかれば、ということだろうかね」

　公開処刑のような嫌がらせを行うドラコたちを、アンブリッジはにっこりと笑って見せた。そしてドラコたちの後ろにいるセオドールにあの甘ったるい笑みを見せる。

「セントラルが見えるのね、ロングボトム？」

　そのままアンブリッジはロングボトムの方へ歩いていき、彼に聞いた。そうすれば、ロングボトムは小さくうなずく。

「誰が死ぬところを見たの？」

　なんて無神経な言い方だろう。これに関しては、ザビニですらも眉をひそめていた。

「僕の……じいちゃん」

「それで、あの生物をどう思うの？」

「んー、えーと、馬たちは……ん……問題ありません」

　まあ、セオドールでもそう言うだろう。もっとも彼は動物全般NGだから、もっと仏頂面で言うような気もするけれど。

「生徒たちは……脅されていて……怖いと……正直に……そう言えない……」

「違うよ！違う、僕、あいつらが怖くなんかない！」

「いいんですよ」

　アンブリッジはにっこりとほほ笑みを見せる。安心させようというパフォーマンスの笑顔かもしれないけれど、批判的な意見を持っている僕からしたら、それは嘲笑に近いものだった。

「さて、ハグリッド。これでわたくしのほうは何とかなります。査察の結果をあなたが受け取るのは十日後です」

　結局授業をかき回すだけかき回したアンブリッジは、雪を踏み分け城の中へと戻っていった。ドラコ、グラップゴイルとパーキンソンがくすくすと笑う中、ザビニの声が、ものすごく僕の耳にすっと入ってくる。

「やばいなあの女」