蛇の僕と獅子の君。Part 8【ハーマイオニー・グレンジャー】

313限目 ページ14

「あの、せんせい」




　息を整えながら、僕はスネイプ先生に声をかけた。先生は答えなかったけれど、特に何も言わなかったから聞いてもいいのだろう。僕はそう思って、口を開く。




「先生って、僕のこと嫌いですよね。どうしてですか？」




　後になったら後悔するような質問だけど、たぶんこの時の僕は、酸欠でどうかしていたのだ。視線を先生に向けずに、僕は答えを待つ。

　無視されたならそれでもいいのだけれど、なんとなく気になったのだ。




「次の準備をしろ」

「はい」




　案の定、無視である。そんなに僕と会話をしたくないのだろうか。別に、いいけれど。


　僕は椅子に座りなおして、キッとスネイプ先生を睨む。いつか無表情でこれができるようにならなければならないのだ。でも、初めよりははるかにこの術が得意になっていることは間違いない。守護霊を出すよりも、ずっと簡単である。


　初めは嫌になるくらい心の中を読まれたし、つらい思いをしたけれど、今ではかなり上手になったように思う。少なくとも、十回に三回は見られないことに成功しているもの。




「レジリメンス」



　まあ別に、この人になぜ嫌われているかなんてどうだっていい。

　僕は層思った後に、いつもの通り意識を下へ下へと沈ませて行った。

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