253限目 ページ45
「……ブラック。ちょっといいかい？」
さて、例の出来事から時間が経ち、帰省する前日となった。僕に話しかけたのは、ポッター。僕は聞こえないふりをしてその場を去ろうとしたけれど、英雄は許してはくれなかった。
「なんなわけ？僕は君に用だなんてこれっぽっちもないんだけど」
不快感を表に出すけれど、ポッターは優しげな笑みを浮かべる。エメラルドの瞳は、何をしてもきっと、希望を失わないのだろう。セドリックが亡くなったという悲しさはあるけれど、それでも彼の瞳から、輝きは消えていない。
「この前は、ありがとう」
「君にお礼を言われる筋合いはない」
「それでも、君のおかげで僕は警戒ができたから」
「……それでも、君にお礼を言われる筋合いはないよ」
「いいから、それと、」
そう言いながら、ポッターはポケットから袋を取り出した。それを逆さにし、中から小石を取り出す。僕が渡した例の石である。僕はそれを受け取って、じっと見つめた。
「ヒビが……」
「ごめん。わざとじゃないんだ。ただ、試験が終わった後に、談話室でヒビが入っているのに気がついて……。試合中ずっと、光ってたから」
「光っていたの？」
「うん。ほのかにずっと光っていて、それから、危険が訪れる前には、より一層強く光った。まるで、導いてくれてるみたいだったよ」
ヒビは入っているけれど、別に力を失ったわけではないらしい。手が触れた場所が少しだけじんわりと暖かくなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 279人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんころころもち(プロフ) - 宮野 ミヤさん» あけましておめでとうございます〜！5の方に続きコメントありがとうございます！！ まとめて書いていたんですけどまさかここまでになるとは思わず笑 更新は遅いですが、頑張りますのでお付き合いいただけたら嬉しいです！ (2021年1月3日 12時) (
レス) id: fe5abc0f94 (このIDを非表示/違反報告)
宮野 ミヤ(プロフ) - あけましておめでとうございます！新年早々たくさん更新して頂いてめっちゃテンション上がりました(´∀｀*)今年も楽しく閲覧させていただきます！無理せず頑張って下さい！！ (2021年1月3日 1時) (レス) id: 6a76999131 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち(プロフ) - onigoritunamayoさん» 素敵なお言葉をありがとうございます！これからもそう言ってもらえるように頑張らせていただきます！！コメントありがとうございます！ (2020年12月1日 18時) (レス) id: fe5abc0f94 (このIDを非表示/違反報告)
onigoritunamayo(プロフ) - すごく好きなお話で楽しんで見させてもらっていますこれからも頑張ってください (2020年12月1日 17時) (レス) id: 735aa1c384 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんころころもち | 作者ホームページ：
作成日時：2020年11月28日 0時
