4限目 ページ5
「……君、ホグワーツの歴史を読んでるの？」
彼女の持っている本を見て、図書館で見かけた分厚い本を思い出す。
それが彼女の持つ本とそっくりだと感じた。
気づいた時には口に出していた。
「ええ！とっても面白いわよ、あなたもどう？」
「えーっと、僕はそれだけ読むのにきっとこの学生生活全部を使っちゃうよ」
肩をすくめてみると、彼女はクスクスと笑う。
「でも、中身は気になるな。どんな本？」
「とっても素晴らしいわ！ホグワーツの何から何まで書いてあるの！」
ちょっと興奮気味に話し始めるグレンジャー。
新たなる一面。すごく可愛い。あ、やばい、好き。
「……それ、僕に教えてくれないかな？」
「え……？」
そう言ってみると、グレンジャーは僕から少し目をそらし、戸惑ったように、言いにくそうに言った。
「私、グリフィンドール生だし、マグル出身よ。いいの？」
ああ、そういうことか。
仕方ないことだ。僕はスリザリンだし、ドラコともそれなりに仲がいいのだから。
「……じゃあ、正直に言うね」
「……ええ」
グレンジャーの瞳が、僕の瞳を捉える。
なんだかそらせなくて、僕はその瞳を見つめたまま言った。
「僕はマグルがあんまり好きじゃない。理由は、叔父上や叔母上にそう教えてもらったから。でも、友達くらいは自分で選びたいんだ。純血、非純血に限らず、いい人はいっぱいいる。血筋に囚われず、その人の性格の良し悪しで。君は僕にとってすごくいい人だと思った。それを誰かにとやかく言われる筋合いはないよ。君自身にも、ね」
言い終わると、彼女は恥ずかしそうに笑う。
「……私、あなたのこと誤解していたわ、A。これからよろしくね」
「うん、グレンジャー」
「ハーマイオニーでいいのよ」
「いや……ごめん、グレンジャーで」
ごめん、と苦笑いする。
彼女は察したように笑った。
「そうよね、私と仲がいいとスリザリンではきっといづらいもの。だけど二人の時はハーマイオニーでいいんじゃないの？」
「……ふふ、そうだね。よろしくね、ハーマイオニー」
笑い交わすと、彼女はふと思いついたように言った。
「明日の授業が終わったらここに集合しましょう。ホグワーツの歴史について教えてあげるわ」
「それは頼もしいな。ありがとう」
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あんころころもち(プロフ) - 風見ツクヨさん» コメントありがとうございます！読みやすさの自信が全くなかったので、そう言っていただけるととても嬉しいです。 ブラックくんは私の性癖をどうにか詰め込ませていただきました…！誤字のご報告もありがとうございます！訂正させていただきます！ (2021年3月13日 0時) (
レス) id: 1bdb7e36df (このIDを非表示/違反報告)
風見ツクヨ(プロフ) - はー、好き。好きすぎる。読みやすいしブラックくん可愛すぎかよ。あ、七限目のところ「〜に」が「をに」になっていますよ。 (2021年3月12日 23時) (レス) id: 4051fdcb81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころころもち x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年4月11日 22時
