35限目 ページ36
「お帰りなさいませ、A様」
「ただいま、ウィリアム」
若いしもべ妖精は恭しく僕に頭を下げる。
僕はそんな彼の頭を撫で、自室に向かった。
ガチャっと小さな音を立てて扉が開く。
スリザリンカラーのその部屋は、この家で三番目に広い部屋だ。
(ちなみに一番目はリビング。二番目は叔父叔母の部屋である)
ベッドの上に腰を下ろし、パーティの準備をしなくてはと考える。
面倒くさい。
「失礼しますわ。A」
「お入りください、叔母上」
僕の一声に、美しい女性が部屋に入る。
セイレーン叔母上だ。また、彼女は自身の名を嫌っている。
なぜかというとセイレーン叔母上の叔母上に、セイレーン・ブラックというウィーズリーに嫁いだ血を裏切る者がいるから。
まあ、そんなことは心底どうでもいい。
「そろそろ準備をしてくださいな。もうじきパーティに出かけなければなりません」
「わかりました。今から着替えますね」
それだけ言い、部屋を後にする女性。
一体何をしに来たのだろう。
グレーのパーティドレスを身につけながら、僕は今日どんな女の子とダンスをするのか考える。
本当に純血貴族のパーティとやらは面倒臭い。
「できれば、家に引きこもっていたい」
ベッドの上に転がったレギュラスさんの肖像画が、音も立てずに優しく笑った。
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あんころころもち(プロフ) - 風見ツクヨさん» コメントありがとうございます！読みやすさの自信が全くなかったので、そう言っていただけるととても嬉しいです。 ブラックくんは私の性癖をどうにか詰め込ませていただきました…！誤字のご報告もありがとうございます！訂正させていただきます！ (2021年3月13日 0時) (
レス) id: 1bdb7e36df (このIDを非表示/違反報告)
風見ツクヨ(プロフ) - はー、好き。好きすぎる。読みやすいしブラックくん可愛すぎかよ。あ、七限目のところ「〜に」が「をに」になっていますよ。 (2021年3月12日 23時) (レス) id: 4051fdcb81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころころもち x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年4月11日 22時
