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足音がする。最初は、誰かが戻ってきたのかと思った。
でも、違った。足音の主は、三日月達を恐怖で縛った張本人だった。

麗音はそのことを伝えるため、広間に行った。

「主じゃないか。どうした?」
「ここから出ないで」
「何故だ?」
「来る!」

障子が開いた。全員が息を飲む。

「久しぶりだな。あんた、人の刀を勝手に傷つけてんじゃねぇよ」
「僕は何もやってない」
「人攫っておいて、よくそんなこと言えるよな」
「その子は、そんなことしてない。悪いのは君だよ」
燭台切が割って入った。

「返してもらおうか」
審神者は麗音に小刀の刃先を向けた。

「僕達は、君の元に帰る気などないよ。帰ってもろくなことがないってわかってるから」
「僕も、この子達を君に返す気などない。君じゃなく、僕を主として認めてる」

そうだそうだ、と、ほかの刀剣も加勢する。

「あなたが主など、想像するだけで吐き気がします」
「きみには、地獄がお似合いじゃないか?」

短刀はその場で固まっている。審神者は太鼓鐘に手を出した。

「これもあんたがやったんだろ?最低だな」

太鼓鐘はただ、震えていた。また何かされるのではないかという恐怖が彼を縛りつけた。

「違う。これはそいつじゃない。あんたがやったんだろう?人に罪をなすりつけるんじゃない」
「違うって言ってんだろ!」

大倶利伽羅が殴られた。血が滴る。

「伽羅‼」
「光忠達のところにいろ。今こいつに近づくのは危険だ」

2発目が入る直前で、麗音が止めた。

「人に暴力振るうなんて、君最低だね」

麗音は審神者を冷たい目で見た。

「最低なのはあんたのほうだろ」
「僕さ、人を傷つける人って大っ嫌いなんだよね。そんなことして楽しい?」
「逆に楽しくないって思うのかよ」

誰もが、駄目だと思った。

「なんだよ、これ」

審神者の体を、麗音の霊力が縛っていた。冷たい、熱い、痛い。感覚が鈍る。

「麗音、もうやめてあげなさい」

いつのまにか政府の役人が立っていた。

「何故、あなたがここに・・・?」
「龍炎殿が呼んでいたので来ました。審神者殿は我々の方で処分いたします」

審神者は政府に連れていかれた。

「すまない。こうするしかないと思ったんだ。流石に目にあまったから・・・」
「あれは正しい判断だよ。でも、誰にも言わずに勝手に政府に行くのはどうかと思う」

そのあとは何も起こらなかった。

希望→←審神者の正体



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作者名:袖の雪 | 作成日時:2018年8月10日 21時

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