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顕現 ページ8

麗音side

失われた刀と再会させたいという一心で、僕は鍛刀部屋に行った。

結果は3時間。手伝い札を使った。

「ぼくは亀甲貞宗。・・・名前の由来?ご想像にお任せしようか」

この本丸に亀甲が来た。あの頃の記憶はないらしい。

「物吉、太鼓鐘。亀甲が来たよ」
「兄さん⁉」

物吉と太鼓鐘は、驚いたかのように目を瞬かせた。

「君たち、それ、どうしたんだい?」

それ、とは、火傷痕と水膨れのことだ。物吉達が困った顔をしてると、僕は「答えなくていいよ」と助け舟を出した。

僕は自室で、亀甲に説明した。

「実は君、2振り目なんだ。1振り目は、前の本丸で折れた。
あと、物吉と太鼓鐘にあった傷なんだけど、前の本丸でつけられた傷なんだ」

亀甲が驚いたような顔で僕を見た。でも、これが事実なんだ。

「ぼくは、折れたのか・・・?」
何かを思い出したのか、亀甲は小さく呟いた。
「うん。物吉、太鼓鐘、謙信、籠手切、日向、浦島を庇ってね。って言っても、覚えてないだろうけど」
「今思い出した。すべて、君のせいだ。人間!」
亀甲は腰に差してあった刀に手を伸ばして抜刀した。

「僕は、人間じゃないよ」
「え・・・?」
亀甲は刀を地面に落とした。

僕はそのことを別の日に、みんなに説明した。

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作者名:袖の雪 | 作成日時:2018年8月10日 21時

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