恋人兼弟が無防備過ぎる件について(兄シル)

残念、大成功。 ページ28

兄クside

イヤホンを外し、耳に当ててみる。




『諒、これ音流れてねーんだけど。』




すやすやと規則正しい寝息が聞こえる。




『無視は良くね………カメラ見ーっけ。』




なるほど、布団に隠し持ってたのか。




我が弟ながら恐ろしい。




しかもカメラを見てみると、




電源が入っていない。




つまり全てダミーだったのだ。




『諒の割にいい作戦だな。




で、このダミーで助かるとでも思ったってか？』




少し震える両手を掴んで持ち上げ、縫い付けた。




『おい、バレてんだから




いい加減こっち見ろ。』




さすがに観念した弟と目が合う。




「わ、悪い。でもドッキリっつっても




何すんのか全く予想出来ねぇし、




ダミーだけでも安心かと思ったんだよ。




だから騙すつもりも悪意も無かったんだって、」




申し訳なさそうに弁解する弟には




しゅんと垂れ下がった耳と尻尾が見える。




あぁ、可愛らしい。




『お前もしかして今の今まで




ドッキリだと思ってた？』




「………え？違ぇの？」




『大ハズレ。もっと楽しいこと、




俺の手で教えてやるよ。』




舌なめずりして、諒の唇に唇を押し当てる。




ようやく状況を理解したようだ。




悪いけどもう逃がしてやれねぇ。

嘘だろ？大失敗→←待て待て待って！！！

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