いつかは ページ10
数日後__
私は、本がたくさん置いてある部屋に来ていた
なんとなく、本を指でなぞりながら歩き、気になった本は手に取り、パラパラとめくる…
それでなんとなく、時間を潰していた。
ここにある本は、どれも薬についてのものだ。
薬学は楽しいと、この頃感じる。
突然、ある1冊の本が目に止まった。
『毒』
とだけ、書かれた表紙の本。
なぜ、目に止まったのだろう?
私の毒は…もう、
いや、違うのか?
そうだ、違う。
まだ知らない事があったんだ。
__私が記憶を失った理由
"知らないといけないこと"がまだ、残ってる。
あの日から、それを知りたいという気持ちは大きくなっていた。
なぜだかはわからない。
ただ、その気持ちだけが私の中を埋め尽くす。
けど、杏寿郎には聞けない。
だって、杏寿郎は、その話をする時は決まって目を泳がせる。
こっちまで、得体の知れないものに恐れてしまうのだ。
(いつかは、聞かないと。いつか)
本当は今すぐにでも聞きたいが、私も心のどこかで、まだ知るのを、恐れている。
私は先程と変わらずに『毒』のページをパラパラとめくった。
すると、最後のページからヒラヒラと何かの紙が舞落ちた。
(ん?)
不思議に思い、紙を拾い、見てみると
そこには綺麗な文字が並んでいた___
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作者名:ベリコ | 作成日時:2021年3月10日 20時