己の不甲斐なさ ページ9
煉獄杏寿郎side)
･
俺は、良くない事をしたのだろうか？
《どうして、私は何も覚えてないの？》
ふと、ももの言葉を思い出す、
俺は、ももの質問に
答えなかった、
答えられなかった。
あれ・・は、ももにとってどのような出来事として受け止められるだろうか。
ももの、あの子の人生を変えた、とても大切な瞬間…
悲劇だったのだ。
ももの、それを知りたい、という気持ちは痛いほどわかる。
俺だって、事実を、ありのままに、打ち明けてあげたい…
はずだ・・・
しかし、今のももには、きっと抱えきれないだろう。
この、話を知ったももはどうなってしまう？
それが心配でならない。
________
というのは、ただの偽善で、俺はただ怖いだけなのかもしれない。
ももに嫌われるのが。
離れて行かれるのが。
あの瞬間・・・・は俺の脳裏に、体に、刻み込まれたままだ。
あの瞬間・・・・を思い出してしまえば、震えが止まらなくなる。
あぁ、炎柱として、不甲斐ない。
もものことになると、いつも…こうだ。
もものことは本当に愛してる。
ももが、もう一度《杏寿郎》と呼んでくれたのが本当に、嬉しい…嬉しかった。
大好きだ。
だからこそ、だな。
だからこそ、もう二度と・・・・・
離れたくない。
嫌われたくない。
手放しては、いけない。
だからこそ、打ち明けるべきなのかもしれない
ももの準備が整った時に__
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作者名：ベリコ | 作成日時：2021年3月10日 20時
