黎明 ページ7
外を見ると、夜が明けようとしていた。
綺麗な色の広がった空が、清々しい。
こんなにも、晴々しい気持ちは、気を失ってからは初めてだろう。
いや、人生初かもしれない。
もう、少し、頑張れそうな気がした。
__黎明の瞬間、私と杏寿郎は、結ばれた。
夜が明けて、どれくらい時間が経ったのだろう
杏寿郎は行ってしまって、今はまた寂しい部屋に1人の私だ。
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杏寿郎に、たくさんの事を教えてもらった。
まず、鬼についてと、鬼殺隊について。
確か…私が今いる場所は、杏寿郎と同じ、鬼殺隊の柱である胡蝶しのぶという人の屋敷…
ここにいるのは、胡蝶さん、胡蝶さんの継子であるカナヲさん、他にアオイさん、キヨちゃん、スミちゃん、ナホちゃん…?らしい。
会ったことは多分何度か、ある。
けど、顔と名前が全く一致しないのだ。
そして、私は、信じられない事に、記憶を失う前は鬼殺隊として鬼を滅していたらしい。
今は、そんな自分の姿を想像すらできない程、筋肉もなくて、骨しかないようなものなのに。
また、私は、明るく一生懸命な性格だった、と
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《だから、いつかももはももに戻るはずだ!
そして、もう一度鬼殺隊に入らないか?》
それは、思ってもいない提案だった。
とても戸惑ってしまった、
鬼が怖いわけじゃない。
面倒臭いわけじゃない。
まだ、私に小さな希望を持ってくれる人がちゃんといることに、感動してしまった。
私は、勿論、その誘いを断らなかった。
杏寿郎が言うと、私にもその未来が見えてくるような気がしたから。
閉ざしていた気持ちに一筋の小さな光が宿った
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作者名:ベリコ | 作成日時:2021年3月10日 20時