#069.翼は自ら作るもの ページ23
綾小路｢ほとんどの人間がそうだ、俺達もな。｣
櫛田｢ねぇ、2人とも｣
綾小路&A｢なんだ？／ん？｣
櫛田｢私と堀北さん、どちらかの味方をしないといけないなら、やっぱり堀北さんの味方？｣
綾小路｢さぁな｣
A｢状況によるかな｣
櫛田｢意地悪｣
【着信あり】
A｢清隆にも同じメールきてる？｣
綾小路｢ああ、行くか｣
ー劇場内ー
茶柱｢まずは見事だと言っておこう。素直に感心した。｣
綾小路｢満足してもらえましたか？じゃあ、聞かせてください。あの男が俺の退学を要求した話、本当なんですか？｣
A｢私のお母さんもその話ふっかけて来たのはほんとですか？｣
綾小路｢証拠もなしに、これ以上俺を動かすことはできませんよ。｣
茶柱｢私がお前たちのことを詳しく知っている。それが何よりの証拠だろ？･･･イカロスの翼｣
綾小路｢それが？｣
茶柱｢イカロスは自由を得るために飛び立った。
だが、それは父であるダイダロスが翼を作るように指示し、飛び立てただけだ。自らの意思で飛んだわけではない。今のお前たちにそっくりだと思わないか？あの男とあの女、お前たちの親は言っていた。
"清隆はいずれ、自ら退学する道を選ぶ'と。同じく来ヶ谷の母親も。太陽に翼を焼かれ、海に落ち死んでいく。｣
"自らの意思ではない"？
ふざけるな、私は自らの意思で清隆に会いに行く為に学校へと来たんだ。そのことは先生も知っているクセに。
綾小路｢話になりませんね。｣
茶柱｢哀れなイカロスよ。お前たちはこれからどうするつもりだ？｣
A｢先生も知っているでしょ？イカロスは
ダイダロスの忠告を守りません。｣
先生との談話が終わり、やっと清隆とゆっくり出来るかと思えば、今度は鈴音が話しかけてきた。
鈴音｢やっと見つけた！｣
綾小路｢またお前か、今度はなんだ？｣
鈴音｢平田くんに聞いたわよ、AとCのリーダーを
彼に教えた時、全部私が見抜いたって
言ったらしいわね？そして試験終了後、
うまくクラスをまとめてほしいって頼んだって。
私を隠れみのに使うつもり？｣
綾小路｢鈴音、あの時言ったこと覚えてるか？仲間が必要だって。｣
鈴音｢まさか、その為に？｣
A｢鈴音もやっと変わってきたからねー｣
鈴音｢あなた達のせいよ。あなた達のこともひとまず百歩譲って仲間だと認めてあげるわ。だからと言って、
学校に帰った後、馴れ馴れしくはしないでほしいのだけれど。あくまでこれはAクラスを目指す為の関係で...｣
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作者名：翡翠 | 作成日時：2022年8月30日 20時
