38 大谷side ページ39
電車が脱線し、優香は負傷者の対応におわれていた。俺らの隣にある重傷者のテントで患者が急変したらしい。
「先生、ヘリ来ました!」
優香はそう言われると救急隊員に
『あちらの腹腔内出血の方を優先させましょう。あの人は痛みで除脳硬直が出てきた。、難しいと思います。ご家族には私から説明します。』
「わかりました!」
救急隊員は搬送準備へ行った
「ちょっと!どういうこと!?お父さん運んでくれるんじゃないの!?」
『…搬送できる人数は限られています。お父さんは悪化していて。』
「悪化したなら運んでよ!!」
『ご主人は残念ながら瞳孔も散大しています。病院に運ぶ頃にはもう。。。』
そう告げた優香。、それを聞き、奥さんだろうか。その人は旦那さんの元へ駆けつけた。
「運んでも無駄だって言うわけ!?そんなのわかんないじゃない!大体あんたになんの権利があるのよ!」
『誰を運ぶのか決めるのが私の仕事で、、』
「そんなの誰が決めたのよ!ねぇ!運んでよ!」
『指示に従ってください!』
「なんでそんなことが言えるの!?」
女の人は優香を突き飛ばし、お父さんの元へ駆け寄った。
「優香、大丈夫?」
俺は声をかけた。優香は頷き、立ち上がって頭を下げて次の患者へ向かった。
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作者名:mimimi x他1人 | 作成日時:2023年4月6日 23時